ぱんぴっと! インタビュー記事

NPO法人学生人材バンク学生プロジェクト「ぱんぴっと!」。鳥取で活躍する魅力的な社会人へのインタビュー記事を掲載していきます。

「目の前の人を大切にすること」カウンセラー 山根 恒さん

 

 

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目次

・【所属 名前】

・【インタビュアーからのひとこと】

・今のお仕事について

・カウンセラーになったきっかけ

子ども食堂

・心に残ったエピソード

・今の社会に思うこと

・学生へのメッセージ

 

 

【所属 名前】

カウンセラー 山根 恒さん

 

 

【インタビュアーからのひとこと】

人に寄り添う、心から向き合うお仕事であるカウンセラー。少しでも人を大切にする行動や気持ちをもつだけで社会は変わっていくのだと感じました。また、子どもを始め、町の人々を繋ぐ第3の居場所である子ども食堂はとても魅力的です。山根さんのお話の中で、皆さんに伝えたい事がたくさんあるので、記事が長文になっていますがご了承ください…!

 

 

Q.今のお仕事について教えてください。

 

 

A.鳥取県刑務所の処遇カウンセラー、人権相談センター(週末)ハローワーク(月1回)、人権局UD推進専門員、パレットとっとりで子ども食堂(週2回)をしています。

 

 

 

Q.カウンセラーになられた経緯を教えてください。

 

 

A.どの仕事も「人の相談にのる」という点で共通していると思う。

 

 

最初、27歳までコンピューターのシステムエンジニアとして働き、児童館で3年間働き、鳥取商工会議所で経営指導員として10年間働いた後、カウンセラーの資格をとって現在に至る。実は、高校生の頃からカウンセラーに興味はあったが、取得方法がわからなかった。働き出してから、高校生の活動を支援する活動に関わっっているうちに、高校生の悩みを聴くことが多くなり、高校の教員や先輩にカウンセラーに向いてるんじゃないの?と言われたのでやってみようと思った。振り返ってみると、一見関連性がない経歴だと思われるけれど、「人の相談にのる」という点では共通していると思う。

 

 

 

Q.子ども食堂をつくったきっかけは何ですか?

 

 

A.コンセプトは「誰もがわくわくするような場所」

 

 

受験や進学、就職といったライフイベントを迎える中学生・高校生に来てほしいと思い、駅に近いまちなかにつくりたいと思っていた時に、当時の本通り商店街の理事長が「子どもがたくさん集まるなら、パレットとっとりを使え。」と後押ししてくれた。町に賑わいをつくりたいという思いと子どもを集めたいという思いがマッチした。コンセプトは、子どもに限らず、その保護者を始め「利用してくれる人を大切にする」ということと、「誰もがわくわくするような場所」。運営には、カウンセラー、管理栄養士、元小学校の校長先生、大学生、高校生が関わっていて、利用する子どもの保護者も生活や子育ての事などを気軽に相談できる場所にもなっている。今は「子ども食堂」という名前だが、将来は子ども食堂を核にしながら、「地域食堂」を目指している。

 

 

 

Q.子ども食堂の魅力は何ですか?

 

 

A.たくさんの知恵が集まる場所。

 

 

子ども食堂にはいろんな可能性がある。食堂をツールにして誰もが集える場所になる。そこにいろんな人がいるから、いろんな知恵が集まる。例えば、どんな地域にしようかと話をしたり、課題があれば解決方法を出して一緒にやろうという話になるなど、地域力を高めていくこともできると思う。

 

 

Q.心に残ったエピソードはありますか?

 

A.家庭の都合で子ども食堂に行けない日、ある子どもたちが母親に「連れて行ってー!送ってくれるだけでいいから!」と泣きながら訴えていたこと。宿題を終わらせないと子ども食堂に行かせないというルールをつくったら子ども食堂がない日でも宿題をするように習慣がついたこと。あるお母さんの仕事が決まらないことで悩んでいたが、食堂に来て話をすることで、次も頑張ろう!という気持ちになっていること。

 

 

 

Q.社会に思うことはありますか?

 

 

A.もっと人を大切にしようよ。

 

 

例えば、困っている人を対象外だからといって簡単に突き放すのではなくて、その人がもう少し生きやすくするためにはどうしたら良いだろうかと一緒に考えるような対応をするだけで、自分の気持ちを聞いてもらえたと思って帰ることができる。人を大切にすればギスギスした社会にならないんじゃないかな。…現代は余裕がないからかな。昔は、皆が裕福ではなかったけれど、寛容さはあった。寛容さがないから人を大切にできないんじゃないかな。

 

 

 

Q.学生へメッセージ

辛いときには「助けて」って言っていいんだよ。でも本当に言って良いんだろうかと思うよね。それは、自分で何でもやらなければならないって社会が思わせているだけだから。

「共感力」を高めてください。そうするともっと人を大切にできるようになる。

また、人のために働く理由として、今の自分があるのはその時々にいろんな人に支えられてきたから。処遇カウンセラーとして罪を犯した人の成育歴を見ると、その人は最初から罪を犯す人ではなくて、ある出来事が起きた時に、そばで寄り添ってくれる人がいれば生き方は変わっていたんじゃないかと思う人が多い。その人に関わる人によって生き方が変わる。皆さんが、今の自分があるのは、自分の努力はもちろんだが、いろいろな場面で関わってくれる人がいたからだと思います。

 

 

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インタビュアー:大國&稲葉

文責:大國