ぱんぴっと! インタビュー記事

NPO法人学生人材バンク学生プロジェクト「ぱんぴっと!」。鳥取で活躍する魅力的な社会人へのインタビュー記事を掲載していきます。

「海外に行くいいところは、 いろんな考えを持った人と友達になれる」 -小倉典子さん

「目次

 

[お名前]

[インタビュアーからの一言]

[アメフトを始めたきっかけ]

[鳥取について]

[海外と日本]

[日本から海外へ]

 

 

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小倉典子さん(写真左 旦那さん、お子さんと)

 

[お名前]
 小倉典子さん

 

 

[インタビュアーからの一言]


  海外での価値観・考え方の違いを、アメリカでの経験から

 お話しいただきました。

 「他人と違うことはじゃない、それも個性

 という言葉に勇気をもらいました。

 


[アメフトを始めたきっかけ]

 

 Q. アメフトを始めた理由を教えてください

 

 A  スーパーボウルっていうアメリカで一番大きいアメフトの試合があるんです

   けど、デイビスっていう選手がすごいいいプレイしていて、それを見て元気

   をもらった感じです。私も病気でちょっと大変だったので、病気とかで

   苦しんでる人にプレイを見てもらって元気になってもらえたらいいなと

   思って。一回大きいけがをしちゃって、手術しないと選手継続が難しいと

   いうふうになって一回アメフト辞めようかなと思って辞めたんです。小学校

   の子供たちに、頑張ったら夢は叶うって先生だったらみんな言うんですけど、

   (必ずは)無理じゃないですか。自分はほんとにやりたい夢があったけど途中

   であきらめちゃったので、言ってる言葉に対して責任というか、心から

   言ってるんじゃなくて適当に言ってるみたいな気が自分の中でしたので、

   

      本当に頑張ったら夢は叶うっていうのを

          子供たち見せてあげられたらいいなと思って

 

   手術してもう一回夢を追いかけてみようかなと。アメリカ半年日本半年

   っていう感じで生活してたので、日本にいるときは学校で授業したりとか

   して、アメリカでアメフトのシーズンの時はアメリカで選手してっていう

   感じです。

 


[鳥取について]

 

 Q. 鳥取へ戻ってからの生活について教えてください

 

 A  鳥取に帰ってきてから3年半くらいですかね。夫が日本で田舎暮らしを

   してみたいっていうことで、ちょうどタイミングよく若桜町の地域おこし

   協力隊で農業する人の募集があって、それに応募して、2年間は若桜

   住んでました。農家さんに研修みたいな感じで行かせてもらったんですけど、

   夫が研修先とうまくいかなかったり、あとイネ科のアレルギーが出ちゃって。

   研修は途中でやめさせてもらって、そのあとは若桜の特産品になるような

   野菜の試験栽培してみたりとか、品種改良を自分たちでやったり、あとは

   中学生とか小学生に英語教えたりしてました。夫は自分が希望した田舎

   暮らしだったので満足してたんですけど、私は夫の希望で選手を引退

   しないといけなくなったっていうのがあって、そういうのを抱えながら若桜

   で仕事してたので、なんか精神的に気持ちが……。仲のいい友達もいないし、

   トレーニング環境とかも前の環境と全然違うので、個人的に馴れないって

   いうところもあって。でも若桜の年配の人は結構仲良くしてくださって、 

   料理とかも教えてもらって、そういうのは楽しかったです。

 

 

 Q. 慣れない環境で暮らすためのモチベーションになったものはありますか?

 

 A.  せっかく引っ越してきたので、若桜の特産品になるものが開発できたら

   いいなと思って、グループでやってたんですけどそういうのは

   モチベーションになりました。

 


 Q. 鳥取で働くことについてどう考えていますか?

 

 A.  琴浦町が地元なんですけど、鳥取県で働くのは環境的には自分には

   合ってると思う。都会みたいに通勤ラッシュとかないし、時間に追われる

   こともないんですけど、もうちょっとスポーツをする環境が良かったら

   いいなと思ったりします。今夫が英会話教室をしてるんですけど、私も

   一緒に参加してて、アメリカにいて英語の勉強にもなったのでそこは語学

   の面で活かせてるなと思います。

 


[海外と日本]

 

 Q. 鳥取で暮らす中で役に立ったアメリカでの経験はありますか?

 

 A. 小学校の講師の頃に特別支援もさせてもらってたんですけど、私が

   生まれつき高機能自閉症で、日本にいるときは困りながら生活してたん

   です。アメリカに行くと日本よりも支援がすごい進んでるので、安心して

   生活したりスポーツができたりする。自分が実際に支援してもらって、

   日本に帰ってきて子供に対して支援っていうところでも還元できたかなと

   思うところはあります。スポーツの面で言うとそう(支援が充実してない)

   かなと思った。日本だと保護者にいてもらわないといけないっていうのが

   あったりしますけど、アメリカはコーチが教育をちゃんと受けているので、

   うまく子供に合わせて指導してくれます。普通の人たちも知識があって

   上手に接してくれるっていうのはすごい感じました。日本は

   障がい表に出さんほうがいいみたいなのがあって。持ってる人

   出さないし、周りの人も関わろうとしなかったり、勉強しようと

   しなかったりするんですけど、アメリカはそうじゃないので、勉強になり

   ました。自分が障がいを持ってるって言ったら

   「この子に対してこういうふうに接したらこの子も安心してスポーツできる」

   っていうのがみんなわかってる感じです。「」っていうふうには捉われ

   なくて、障がいも個性みたいな感じで、悪いものとしては捉えられない感じ

   ですかね。生活面ではすごい楽です。

 


 Q. どうすれば「違い」に寛容になれるのでしょう?

 

 A.  日本って島国なので、同じ人種、同じ日本人しかいなくて、みんな同じ

   ようにしないといけないみたいな感じがある。できなかったら弾かれるし、

   弾かれないように一生懸命頑張らなくちゃいけないっていう感じで苦しく

   なっちゃうけど、海外だといろんな民族の人が暮らしているので、もともと

   私たち(日本人)と違うっていうのがあるんじゃないかっていう感じがします。

   日本はADHDの人が増えてきてるって言われていて、そういう人たちって

   もともといたと思うんですけど、日本の中で圧迫されて、頑張ってみんなと

   同じにしようと思って表に出さないように生活してたりしてたんじゃない

   かな。国的にも力を入れてるとか、人権について学んでいく機会の違いも

   あるのかもしれないです。親とかも、日本だと(子どもの障がいを)隠そうと

   するじゃないですか。自分の子どもが差別されたらかわいそうって思ったり

   して、子どものためを思って隠したり、病院に行かせたくないって言う親も

   いるんですけど、アメリカは落ち着いて勉強をさせてあげたいとか、

   友だちとうまく遊べるようにさせてあげたいって思ってカウンセリングを

   受けたり、子供が落ち着いて暮らせるようにしていました。

 


[日本から海外へ]

 

 Q. 海外で活躍するために学生の間にやっておくことはありますか?

 

 A.  高校の時にオレゴン州に短期留学したことがあるんですけど、それが

   あったからアメリカでアメフト選手になろうと思った時もあんまり恐怖感

   がなかった。一回行ってアメリカがどんな感じか分かってたので、海外で

   仕事しようって思ったら学生の時に短期でも行ってみると雰囲気が分かって、

   急に仕事ってなったときよりも精神的に楽かな。

 


 Q
. 海外へ行くメリットを教えてください

 

 A  海外に行くいいところは、いろんな人種の人と、いろんな考えを持った人

   と友達になれる。日本だと偏りがちですけど、いろんな考えを持った人と

   友達になれるっていうのがいいところ。自分の考えも豊かになるし、

   友だちの絆ってお金で買えないものなので、大事だなと思う。あとは自分が

   実際にアメリカに行ってみて、鳥取県の良さが再認識できた。自分はいい所

   に住んでるなーと地元の良さが分かりました。鳥取県って自然があるし、海

   も山もあるし、魚も美味しいし。

 

 

 Q. 海外へ行くハードルは高いですか?

 

 A. 1人で行くと大変かもしれないけど、県、町の企画とか一緒に行こうって

   いうツアーがあったら、ツアーで行ってみるっていうのもありかな。私が

   行ったのは町の国際交流で4人で行って、困ったら協力できたので、一人で

   行くのがハードル高いなって思ってるんだったら短期留学のツアー

   みたいなのがあったらそれで一緒に行ったりとかするとハードルは低く

   なるかな。あとはホームステイかなんかで一緒にできるんだったら

   そういうのも楽しいかなって思うし。1人よりは他の人と一緒に行った方が

   何かがあったときに心強い。

 


[
学生への想い]

 

 Q. 学生に対して思っていることはありますか?

 

 A.  困っていることとかがあったら言葉に出してどんどん発信していったら

   いろんな人が助けてくれやすい時代になっているんじゃないかと思うので、

   どんどん思いを発信していってもらいたいと思います。そうしたら

   気づかなかった人も気づきになるし、言ってくれたことで気づけること

   とかあるので、若い人たちの意見もどんどん知れたらいいかなと思います。

 


 Q
. 学生へメッセージをお願いします

 

 A. 学生の時って働きだしたら忙しくなっちゃうので、勉強も頑張りつついろんな

   ところに出かけてみて遊んだりとか、いろんな友達を作って、今しか

   できないことをやってもらいたいなと思います。自分が本当に何が好き

   なのかをわかる時間であるかもしれない。私は最初大学で物理を専攻してて

   途中から体育に変わったんですけど、大学に行ってみてやっぱり勉強したい

   ことこれじゃないって思ったら違う方面に変わるのも全然ありだと思う。

   嫌なことを勉強し続けるよりかは自分が好きになったり、こっちの方が

   よさそうって思ったら思い切って変わってみるのもいいかなって思います。

 

 

文責:木下