ぱんぴっと! インタビュー記事

NPO法人学生人材バンク学生プロジェクト「ぱんぴっと!」。鳥取で活躍する魅力的な社会人へのインタビュー記事を掲載していきます。

「喜びを与えてくれる子どもたち」県教育委員会 Tさん

目次

 

・所属 名前

・インタビュアーからのひとこと

・教員になろうと思ったきっかけ

・教員のやりがい

・理想の教育

・大切にしていること

・学生へのメッセージ

 

 

 

 

 

【所属 名前】

 元小学校教諭  現県教育委員会勤務 Tさん

 

 

 

  

【インタビュアーからのひとこと】

 

Tさんは、今年の春から県の教育委員会に異動され、県内全域の子どもたちが安心して学校へ通い、学習するための業務をされています。自分の人生を振り返って、教員時代を経てからの今の思いなど、たくさんのお話をしていただきました。進路に悩んでいる自分にとって、こういった考え方もあるんだと気付かせられるきっかけになり、自分でも改めて考えていこうと思いました。 

 

 

 

 

Q.教員になろうと思ったきっかけ

 

 

A.両親が教員だったこと。両親が高校の教員だったのですが、仕事の大変さ以上に楽しそうに働いている姿を見たり、昔の教え子から来る年賀状を何年たっても嬉しそうに読んでいる姿を見たりして、先生っていいなと思った。もう一つは、小学校のときにつらい時期があって、自分みたいにつらい思いをしながら学校に通う子がいないようにしたいなと思った。あとは、中一のときの担任の先生の影響が大きいのかな。生徒会や応援団などいろいろなことに「やってみんか?」と声をかけてくださったので。そこで、いろいろなことを体験できたことは、今振り返ってみると大きかったと思う。

 

 

 

Q.教員のやりがい

 

 

A.できた瞬間に立ち会える楽しさ。

 

 

エネルギーいっぱいの子どもたちと過ごすにはこちらも多くのエネルギーを使うので、すごく疲れることもあるんですけど、子どもたちの「できた!」とか、「やったー!」という声を聞くとその疲れも吹き飛んでしまうんです。あれに勝る喜びはないんですよ。例えばコンパスがうまく使えず、泣きそうな顔の子が、何度も練習して上手く円が描けるようになったときのうれしそうな表情。泳ぐのが苦手な子が、たくさんたくさん練習して25m初めて泳げるようになったときの表情など。最初5m泳ぐのも大変だった子が、ちょっとずつ泳げるようにはなるんですけど、だいたい12~20mくらい息が続かなくて止まるんですよ。そこからさらに一生懸命練習して、これは25m泳げるぞ、いける、ってときにゴールで待ち構えるわけですよ。その子の25m泳ぎ切って、壁にタッチした瞬間の苦しくても泳ぎ切った顔、そのあと見せる達成感に満ち溢れた笑顔。その子とハイタッチしたときは他の何にも代えがたい喜びを感じます。苦労して何かを達成した子どもたちの瞬間に立ち会えたときにやりがいを感じています。

 

それと、学校には遠足や運動会、いもほりや学習発表会、卒業式など、四季折々の行事がたくさんあり、その季節の色やにおいと一緒に思い出は積み重なっていきます。例えば、卒業式で泣いている子を見ると、涙が出るほど頑張ったことがあり、思い出があったんだなと思うとその子たちとの出来事が一瞬でよみがえり・・・こちらも泣きそうになって。涙が溢れてくるほどの思い出をもって卒業できるのって幸せだなって思います。 

 

喜びを感じる場面が「自分がどうこうした」じゃなくて「子どもの頑張っている姿」「何かを達成した姿」になっています。また、担任していた子が高校で部活を頑張っている様子を新聞で見たときには自分のことのようにうれしく思いますね。

 

 

 

Q.大切にしていること

 

 

A.人とのつながり

 

 

出会いだけじゃなくて上手につながることが大事かな。相手が嫌な思いしないようにとか、一緒に仕事して楽しかったなとか、そういう風にしたい。電話の出方にしても、挨拶の仕方にしても。気持ちよくお互いがwin winな関係になれるように、また会ったときに親しく話せるように。自分は人見知りだからこそなお、いい関係を築きたい。

 

 

 

Q.学生へメッセージ

 

 

自分は将来に不安をあまり感じてなかった。学生生活は楽しかったし、部活や勉強に全力を注げていたので。それに同じ目標や悩みを持っている友だちも周りにたくさんいたので、自分ひとりじゃないんだと思えることが多かった。自分はネガティブな性格なんですけど、周りの友だちがみんなポジティブだったから、その人たちといることで楽しく過ごせていたと思う。同じ思いを持つ友だちが多ければ多いほうが、悩みも理解してもらえる。

 

大学のいいところは、こんな時間を自由に使えるのは大学生活にしかないってところ。大人になる前の猶予期間だと思って、たくさんの出会いや経験をしてほしい。社会人でもなく、高校生でもなく、時間や勉強、仕事に追われることが少ないので、人生について考えられる時間。自分は「悩んでたってしょうがないし、今を楽しもうぜ」という周りの友だちが作ってくれた流れに乗せてもらっていた。今しかできないことが多いと思うので、今を楽しむのが先かなぁと思います。

 

つらいこともまあいっかと思えるくらいの心のゆとりとか人間性を磨くことのできる学生生活を過ごしてください。

 

 

 

 

インタビュアー:大國&佐伯&井上

 

文責:井上

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