ぱんぴっと! インタビュー記事

NPO法人学生人材バンク学生プロジェクト「ぱんぴっと!」。鳥取で活躍する魅力的な社会人へのインタビュー記事を掲載していきます。

「人の役に立っていると思えるから、明日も仕事を頑張れる。」 こおげ建設株式会社 代表取締役 山根敏樹さん

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【所属 名前】


こおげ建設株式会社 代表取締役
一般社団法人鳥取県建設業協会 会長
山根敏樹さん

 


【インタビュアーからの一言】

 


周りの人を大事にされるような、
とても気さくで、話していて優しさが伝わってくる方です。

 
従業員さんのことやご家族のことを第一に考えていて、
私にとって、こういう人の下で仕事をしたいと思わせてくれるような

「理想の社長さん」でした。

 



【職業・仕事内容】


Q. ご職業と仕事内容を教えてください。

 

A. こおげ建設株式会社の代表取締役をしています。

そこで、総合建設企業の会社経営を行っています。


私たちの会社は、建設業を通じて社会に奉仕するという信念のもと、

事業としては主に、


新築・リフォーム・無電極照明・環境関連商品・土木・建築・介護・福祉
をしています。

 


Q."社長としての仕事"って何ですか?


A.何が”社長の仕事”の定義かと聞かれたら、私にもまだ分からないですね。

 ただ、社長として大切にしていることはあります。

 

それは、方針を出すことです。 

 

会社全体の目標だとか、

何年かけてこの事業をやろうという長期的な計画とか、

まず方針を出すことを大切にしています。
 

もう一つは、責任をとることです。

 

会社の経営に対してや、

従業員のやることに対しての責任をとることが、

一番大切な仕事ですね。

  

私が社長として、会社や従業員に対して出来ることとして、

初めにあるのが方針、

終わりにあるものが責任であることを常に意識しています。 

 

 

ところで、私にとって仕事は“難しいもの”であると思います。

 

仕事を始めて今まで、100%の成功というものは無いんですね。 
営業に行った際も、自分の気持ちが空回りすることだってあります。

 

そのようにして、いつも仕事の難しさを痛感しています。 

ただ、難しいからこそ、出来ることをしようと考えています。

 

例えば、トラブルが起こった際には、まずは初動をどうすべきかを考えて、

 トラブルが二度と起こらないように再発を防止することに努めています。

 

ただ、また再発してしまう。これが仕事の難しさですね。

 

そうしたらまた再発防止のために対策をします。仕事というのは要するに失敗の繰り返しですね。

 

  

【学生時代のこと】

 

 

Q.どのような学生時代でしたか?

 

A.私が学生の頃は、アルバイトと魚釣りに明け暮れていました。

その時に、私は自分の遊ぶお金を稼ぐために、

多くのアルバイトを経験しました。

 

その中でも特に印象に残っているのは、交通量の調査ですね。

交差点沿いに座って、車が通る度に手元のカウンターをカチカチしていました。

それをなんと24時間連続でやってたんですよ。

そのバイトが終わった後は、もう授業どころではなかったですね(笑)

 

ただ、色々なバイトを経験して、

世の中の仕組みや、お金をもらうという行為の大変さを学びました。

 

もしも自分の時間があるならば、

アルバイトも勿論、本を読んだり、趣味に没頭するなり、

何か行動した方がいいんですよ。

 

せっかくの貴重な時間を、ボーっと過ごすのは勿体ないじゃないですか。

 

 

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【人生の転機】

 

 

Q.山根さんにとっての人生の転機を教えてください。

 

A.私にとっての人生の転機は、学校を卒業して初めて就職したことですね。

 

初めての仕事は、東京にある大手機械メーカーの販売でした。

 

毎日ひたすら歩いて、知らない会社へ飛び込みで訪問して、

その日のノルマをこなすので精一杯でした。

 

いつも終電まで働いて、家に帰ったらなんともう23時や24時。

そのころにはもう駅付近の弁当屋と牛丼チェーン店しか営業していませんでした。

 

販売の仕事はとても大変でしたが、毎日が新しい発見にあふれていて、

「モノを売ることってこういうことなんだ!」と度々感心しました。

 

私は、販売の仕事を始めた時から、

どんな状況でも「しんどい」を言わないことに決めました。

 

いくら「しんどい」って言っても、結局は自力でやる以外手がないですからね。

弱音を吐いたところで、結局は自分の能力を上げるしかないんですよ。


なので、もしも「忙しい?」と聞かれたら「普通だ。」って返してやる。

今でもそれが私の美学です。

 

それに、弱音を吐いていたら、人としてどんどん暗くなっちゃいますよ(笑)

 

 

【“地方で働く”こと】

 

 

Q.例えば鳥取県のような、地方の中小企業で働く強みとは何ですか?

 

A.地方の中小企業で働いていると、社長と従業員の距離の近さを感じます。

距離が近いと、まず社長の意思が従業員に伝わりやすいです。

 

そして何より、従業員の声が社長にスピーディーに届くことが強みですね。

 

私の会社では、もし従業員から意見を貰えば、

社長である私が、上司を仲介して聞くようにしています。

 

もしも、その時に自分の考えと違う意見を貰った際には、

「NO」ではなくまずは「YES」を切り口にしています。

 

「YES」で相手の意見をまず肯定する。

そのあとに、「他にもこういう方法があるけど、どう思う?」

と続けると、お互いにとってwin-winな対話が生まれます。

 

もしも「NO」で始めから一方的に否定してしまうと、

相手にとっては、自分の意見を頭から否定されているみたいで、気持ち良くないですよね。

 

一方、大きい会社や、政治の絡んだ仕事であるにつれて、

上が決めたプランを下に流していく、

いわゆるトップダウン型が主流になります。

 

上が知恵を絞って出したアイデアに対して、

下からいろんな意見が出ても、

バッサリカットされてしまいます。

 

自分の仕事に対して積極的で、

向上心にあふれた新入社員にとって、

自分の意見が反映されないことは、とても辛いことですよね。

 

ですので、そういった従業員の声が上に届きやすいことが、

中小企業の強みであると思います。

  

 

【従業員・家族に対する思い】

 

 

Q.今後のお仕事の目標は何ですか?

 

A.従業員や家族が路頭に迷わないように、

会社の経営をこれからも安定させることですね。

 

従業員が、将来家を建てられるように、

子供を大学に入学させてあげられるように、

そういった“経済的に不安のない生活”をさせてあげられるようにするのが

今後の目標ですね。

 

先ほど言ったように、仕事ってのはとても難しく、大変なものです。

ただでさえ仕事で苦労するのに、生活面でも苦労したら

働くためのモチベーションが保てないじゃないですか。

 

必死に働いたお金で家族を養う。

私自身も、その為に仕事を頑張れます。

 

昔の人の考えは

「家族を守るために仕事をする」。

現代の人の考えは

「家族の絆があるから仕事ができる」。

私にとっては、未だに前者の考えなんですね。

 

 家族と休日に家でのんびりする日々を守るために、

仕事を頑張ることが出来ます。

 

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【学生へ一言】

 

 

Q.最後に、これから社会人になる学生へ一言メッセージをお願いします。

 

A.就職した後の話になりますが、

仕事をする際に一番感じてほしいことは、“達成感”ですね。


私にとっては、営業して仕事を手に入れた瞬間、

その仕事を完工した瞬間は達成感を感じることが出来ます。 


また、私たちが工事に携わった建物や道路が、

 

地域をより安全にしてくれている。

地域に住む人々の生活を便利にしてくれている。

 

このように、「私たちの仕事が、人の役に立っている」という達成感が

明日の仕事も頑張れる力になってくれます。

 

勿論、他の仕事にも達成感を感じる瞬間は必ずあると思います。

 

だから、若い人には頑張って働いてみて、

達成感を感じる瞬間を味わって欲しいです。

 

 

最後にひとつ、もう “平成”も終わって“令和”が来ますからね。

若い人には、この新しい時代を背負ってくれることを期待してますよ!

 

 

 

インタビュアー 石井

文責 石井

取材協力 NPOツナガルドボク中国

「どう在りたいかが大事。自分をしっかり持って、いろんなものをいっぱい見て」 ハーモニィカレッジ理事長 大堀貴士さん

 

 

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目次

 

 



[所属 名前]


認定NPO法人 ハーモニィカレッジ理事長
大堀貴士さん

 

 


[インタビュアーからのひとこと]

お話しているだけでホッとする、

包み込むようなあたたかさが伝わってくる方です。


働く楽しさを教えてくれる社会人がそばにいるだけで

将来を考えるのがこんなにも楽しくなるんだな

と思いました。

 

 

 

 


[職業・仕事内容]

 


Q. ご職業と仕事内容を教えてください。


A. 認定NPO法人 「ハーモニィカレッジ」の

 代表をしています。

 


そこでは社会教育の場をひらいていて、

事業としては主に、

 

ポニーパーク:週末の子どもの居場所、体験活動の場づくり


ポニーキャンプ:主に県外の子どもたちを対象に

長期休みで合宿(年間約400人が参加)、


牧場ようちえん「ぱっか」:県の条例認証を受けて森のようちえんを開設


ポニー教室:一般の子どもたち向けにポニー遠足、出張ポニー教室など


因幡ふれあい乗馬:大人の乗馬会。

20代~70代までが参加。

日常生活の中に「馬との時間」を!


ホースマンシップ:馬のトレーニングを通じて

人がコミュニケーションを学ぶ

 


などがあります。

 

ホースマンシップ事業は、

コミュニケーションの取り方を学んでもらうこと

を目的にしています。

 

 

馬をトレーニングすることって、実は自分のコミュニケーショントレーニングにもなっているんです。

 

 

よく言われる「社会人基礎力」の中に、人と人の関係性があります。

会社をやめる理由の多くが人間関係のようです。

 

そういうコミュニケーションを人と人でやるよりも馬とやって、

結果的にそれが人同士のコミュニケーションと同じだ

ということに落とし込みたい、と考えています。

 


コミュニケーションをとる時、

一方的に自分が言っても相手が理解してなかったら、

それはコミュニケーションがとれたとは言えないですよね。

 

 

伝えて、伝わったことがコミュニケーション。

 

それは人と馬でも同じ。

伝えても馬が理解できなかったらそれは相互に

理解したことにはならない状態だから、

絶えず互いに理解し合える関係をつくる勉強を

しよう、という事業です。

 

お題目は「馬をトレーニングすること」なんですけれどね。

 

 


うちに事業の特徴としては

全ての事業に馬が絡んでるということと、

大学生のボランティアが関わってくれていることです。

 

大学生には地域のひと、

子どもと大人のつなぎ役として居てもらっていて、

大学生は潤滑油的な、全体を円滑につないでくれる

存在やなぁと思っています。

 

 


[学生時代のこと]

 


Q.どのような学生時代でしたか?

A. 大阪工業大学出身で、

 光ファイバーの研究などをしている学科にいました。

 


理系の科目が得意だったのと

経済的な苦しさを子どもながらに感じていたため

お金には困りたくないという思いがあり、

「就職する時に有利な専門職、高給取り、

 お金持ちになりたい」という思いから

その大学に進学することを決めました。

 


学校外の活動ではボランティア活動をしていました。


もともと子どもの時から野外活動に行くのが好き

キャンプしたり山に登ったりしていました。

 

その時にいた大学生がかっこよかったんです。

大きくなって自分もあぁなりたいなと思っていたので

専門職を目指しながら学外ではボランティアを

しながら過ごしていました。

 


大学って普通は4年だけど、僕は6年かかりました。

大学に気に入られたのかな(笑)

やりたいことと学業のバランスを崩してしまって…。

 


留年するって決まったとき、色々考えました。

「お金のために」と思って大学に入ったけど、

それをすごくやりたいわけでもない。

子どもと関わっている自分は大好きだったけど、

仕事にはならない。

 


留年が決まった2年間、ネガティブな事象でも

ポジティブな側面があるっていう捉え方を

できるようになってて、

 

それは子どもたちとの関わりの中で仲間たちと

いろんな悩みを経験した時、

「この2年間があってよかったと思えるように

 これからを過ごそう」と決めました。

 


これまでいた4年間とまったく違う時間の使い方を

しようと思い、行ったことのないところへ行ったり、

会ったことない人に会いに行ったり、

旅に出たりしました。

 

できるかどうかは分からないけど

とりあえずやってみようと思って。

今までほとんど読まなかった本も読むようになりました。

 

 


人生について仲間たちと話すなかで、

自分の人生は一回きり。

親のため、大学の教授のために生きるわけでもない。

自分で考えて切り開いていくものやと思ったんです。

 

 

自分はどう在りたいか、生きたいかを考えた時、

自分自身に問いかけるようになりました。

 

お金を稼いで何をしたいんだろう?

そんなにないなぁ。


良い車乗って良い家住んで、

俺の人生そんなんで終わっていいのかな、って。

 


人生を考えた時、子どもと向き合ってるときに、

自分の内面がふつふつと燃え上がる瞬間があって、

「めっちゃ生きてる、役に立ってる」って、

すごく喜びを感じる瞬間がありました。

 

それを探っていくと、

自分が何かしたことによって人が力をつけてくれたり

子どもが成長した瞬間に立ち会えたとき

めちゃくちゃ嬉しくなることに気づいて。

 


「どうありたいか」がすごく大事で、

自分は人生を通してどんな存在になりたいか

考えた時、人の可能性、未来の力をのばせる存在に

なりたいと思いました。

 

 


このタイミングでこの言葉に出会う⁉

と思うようなことが沢山あって、

惹きつけられるようにそういう本を読み漁りました。

 


その中でも印象的だったのが、

ネイティブアメリカンのある言葉。

 

 

「あなたが生まれた時、あなたは泣いていて

周りは笑っていたでしょう。

あなたが死ぬとき、あなたは笑っていて、

みんなは泣いてる、そんな人生を送りなさい」

 

その言葉を見た時、自分の中にバーンと入ってきて

こんな生き方をしたい!と思いました。

 

そしたら俺は、光ファイバーではないなと思って、

そんな時に、ハーモニィカレッジを立ち上げたばかりの

石井さん(創設者)に出会ったんです。

 

 

 

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彼はお金があるようには見えなかったんだけど、

「絶対会ってほしい」と仲間の一人に言われて

鳥取まで会いに来ました。

行ってみると、集落の中に小さな畑の一角に

馬が何頭かいて、自分の中の「牧場」の定義が

ゆらいだ瞬間でした。(笑)

 

「どうだい?良いだろう」と言われて

その時は素直に良いとは思えなかったけど、

その牧場は子どもたち、地域の人たちと

手づくりで完成させたものなんですね。

 

 

その時、日本一小さな牧場は、

日本一あったかい牧場なんやなぁって思ったのを

覚えています。

 

その晩、子ども、地域の人、馬が集まって

ビールを飲んだのだけど、

小学生がお酌にきてくれたことにびっくりして。

 

その子は周りを見て、自分から動いていたんです。

いきいき動いている子どもたちに

衝撃を受けましたね。

 


次の日、馬の乗り方を教えてくれたのは、

石井さんと一つ屋根の下で暮らしている、

困り感を抱えて親元を離れて暮らす子どもたちでした。

 

教育や知識は「大人が子どもに教えるもの」だと思っていたからかなり衝撃的でした。

 

自然と子どもが育っているところを見て、

こんな風に子どもの力をのばせるようになるんやな

と思って、そこから自分の将来の進路は

そっち方面に舵を取るようになりました。

 

 

いろんな人に自分で連絡して会いに行って、

輝いてるかどうかを確認しに行っていました。

 


どこも悪くはなかったけれどピンともこず、

そんな時に石井さんだけは違っていました。

彼から「1年間一緒にやってみないか」と言われて、

「やります!」って即答しました。

 

 

 

 

[就職までの道のり]


Q. そこから今に、どうつながっていますか?

A. 大手の内定を蹴って鳥取の牧場で働くことを

決意したんだけど、初任給は5万円、

バイトの時より少なかったです。

 

でも、不安はなかった。

「この人と働いて、切り拓いていきたい」

という思いでいたし、毎日が楽しくて、

こんなに仕事って楽しいんだ!という感じでした。

 



「大卒のシュート(←大堀さんのニックネーム)

 に十分なお金を出せるわけでもない、

 いつまで続けられるかも分からない。

 自分の夢に巻き込むことはできない」

 

 

とも言われたけれど、

 

「自分が頑張ればいい、それでダメになっても

 後悔はないから一緒につくっていきたい」

と伝え、2年目から二人三脚で

やっていくことになりました。

 

21年続けてきて

大変なことももちろん沢山あったけど、

一回もやめたいと思ったことはないし、

石井さんというカッコイイ大人との出会い

大きかった。

 

前までの自分を絞っていた

「ねばならない」生き方から

「やりたい生き方」へ考え方が変わり、

今はやりたいように生きています。

 

 

 

[「教育」 とは?]


Q. 大堀さんにとって「教育」とは、

 どのようなものですか?



A. 基本的に、育てるではなく、 育つ

 という考え方です。

 

広辞苑で「教育」を調べると、「アプローチをして

変化させること」と書かれているけれど、

子どもを変えようとするんじゃなくて

大人は子どもが何かやりたくなるような

きっかけをつくることだと思います。



昔、不登校の子で

馬を育成するゲームが好きな子がいました。

「そんなに好きなら本物の馬のところに行っておいで」

と親にいわれ、その子は馬とのくらしを始めました。

 

それまで全然朝も起きられなかったのに

馬のために朝は起きるし、ものすごい考えるんですね。

 

そんな日々を重ねていくと、

「馬について勉強するために高校行きたい」

→「てことは高校行くために勉強しなきゃ」

と子どもは気づき、勉強するようになりました。


こんな例は馬だけじゃなくて、他にもいっぱいあります。

 

子どもがやりたいこと、

なりたい自分を思い描いている時、

一緒に寄り添ってあげることが大事。

 


好きなことが見えたら子どもはグングン進んでいくし

分からないことがあったら子どもから聞いてくる。

大人はそれに答えるだけ。


子どもの内面にあるものを引き出すことが教育かな。

伴走する大人がいるだけで子どもは安心する。

やりたいこと、なりたいものを一緒に見てあげる、

それから子どもに見えている世界はまだまだ狭いから、

いろんな人に出会わせたり、いろんなところに

連れていったり、体験させたりすることも大事。

 


スモールステップを踏みながら生活していると、

子どもには「いっぱい助けてもらっている」

という感覚もつく。

 


学校は、行きたくなれば行けばいいし、

行きたくなければ様々な事を学べる環境を

作ってあげればいい。


ただ、学校は学べることがいっぱいあるし、

環境として整っているから

うまく利用できたらいいと思う。


不登校とか引きこもりでも、

その子はきっと大丈夫!って信じて

寄り添ってあげることができれば、

また道は拓けます。

 



[大切にされていること]


Q. 仕事をする上で大切されていることはありますか?

A. スタッフにも子どもにも、心から

 「それでいいんだよ」と伝えることかな。

 


朝起きれなくても、宿題してなくても、

何もしてなくても、それでもいい。


居場所のない子どもたちはそう思ってもらえることで

「居ていいんだ」と感じることができます。

 


存在を認めてもらえることがベースにあると、

褒められても叱られても子どもたちは受け取ってくれる。

絶えず「承認」がベースにあることが大切。


子どもにとって、普段から自分は見てもらっている、

心を向けてもらっていることを感じれることは

とても大事。

 


存在自体を否定されると居場所がなくなり、

自己否定感も強くなってしまいます。

行動は否定されることがあっても、存在は否定されない。


「できるあなたでも、できないあなたでもいい」

って、いつ如何なる時も「承認」することを

大切にしたいと思っています。

 

 

 

[今後の目標]


Q. 今後の目標を教えてください。

A. 居場所をつくっていきたいです。

 


今はまだいろんな人の居場所になりきれていないけど、

でも、すべての人がそこにいていいんですよね。

子どもも大人も、年配の方も、障がいのあるなしも、

外国人も関係なく。

 



居場所で大切なのは場所ではなくて、

そして、寛容な気持ち


「この人がいるから行ってみようかな」

と思える人がいることが大事。

 


目指しているのは、サラダボールみたいな居場所。

レタス、ハム、きゅうり、大葉…。


いろんな人がそのままで居ていい。

人が集まって多様性があればあるほど

よくなる空間って素敵だよね。

 


あとは、好きで、得意で、誰かのためになり、

未来のためになる四方良し!

自分も相手も周りも、未来も嬉しくなる、

win win win winの事業をつくっていきたいです。

 

 

 

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[学生へのメッセージ]


Q. 最後に、学生へのメッセージをお願いします!

A. 職業、就職先を見つけるんじゃなくて、

 なりたい自分を思い描き、どう生きたいかを

 見つけてほしい。

 それが「どう働きたいか」につながるから。

 

 


そのためには、自分の世界を広げること。

大学生はよくアルバイトしてるけど、

時給800円より自分らはもっと価値がある。

 

社会人になったらお金はあるけど時間はない。

 

会いたい人にも会いに行けなくなる。

お金は後からいくらでも挽回できる。

だから、学生の間は、必要な分だけ稼げばいい。

 


見てる先を、自分の人生の目標から逆算して

どんな自分で在りたいかを大学生のうちに

見つけてほしい。

 

幸せのために家が必要なら買えばいいし、

最終は幸せになってくれたらいい。

 

どんな自分で在りたいかは、途中で変わってもいい。

進みながら広がっていくものだから。

 


人生っていうのは自己実現

自己実現の「自」は今で、「己」はゴール。


今からゴールへ向かう双六のようなものかもしれない。

コマが進んで「己」につくと、

そこに行かないと見えない世界が広がる。

 

逃げないといけない時は立ち止まればいいし、

自分が自分でなくなりそうだったら

辞めてしまえばいい。

頑張れなくなったら、エスケープできる場所がある。

それが居場所。

行ってみて、やってみて違ったらやり直せばいいしね。

 

 


相対的に見て焦ってることも、

広い視野で、世界規模、宇宙規模で見たら

大したことではないと思えるかもしれない。

自分をしっかり持って、いろんなものをいっぱい見て。

 


「この人すごい」と思う人に会っても、

“自分”がなければ聞きたいことも出てこない。

 


それから、俯瞰する目が大事。

鳥の目、虫の目、魚の目。

いろんな目線を持って、柔軟な視点で。

時にはフォーカスするものを変えてみることも必要。

 


たとえば僕は、日によって教育的な本、

経済的な本、ゆるく読める本…と、

意識して読む本のジャンルを変えています。

 

 

興味があるものを見ていると、

興味があるものしか見ようとしないから。

「興味ないな」と思う部分にも、

意外と自分が欲してる情報があったりするんだよ。


 

 

最後に、働くのって楽しいよ!

やりたいことやってお金もらえるんだから。


ジョージアのCMで、

『世界は誰かの仕事でできている』

ってあるけど、本当にその通り。

 


商品、サービスの向こう側に、人がいる。

だから仕事って、必ず何か(誰か)の役に立っている。

そんな風に思ったら、楽しくなるよね。

 

「つながっている」という想像力を持って、

大学生は如何ようにも過ごせるから

自分の人生について色々考えてみてほしいです。

 

 

 

 

 

 


インタビュアー : 大國、佐伯
文責 : 佐伯

 

 

戦略的に居心地のいい環境を探してみるのもいいと思うよ

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目次
◯所属 名前
◯インタビュアーからの一言
進学校への進学したことによる変化
大学での大きな変化
今の仕事についたきっかけ

所属 名前
株式会社LASSIC 地域振興部
モリモト メイ さん

[インタビュアーからの一言]

とても明るく気さくな方です。色々と抑圧されていた高校時代からいい意味で抑えがなくなった大学に進学したことにより大学時代には活発的に様々な活動に取り組み、今では自分を必要としてくれるLASSICを選んで入社し、楽しく仕事をされている方です。

Q,進学校の高校へ進学した変化はありましたか。

A,ギャップに驚きました。

通っていた小・中学校がとても荒れていて、その環境から抜け出すために実家から少し離れた進学校を選びました。中学校まではいじめや学級崩壊が身近だったのですが、進学した高校はあまりにも平和な環境だったので今までとのギャップに驚きました。進学校の同級生たちは学歴第一主義な価値観の子が多く主体的に進路を選ぶというよりは、親や塾の先生に言われた大学へ進学する…という印象でした。
少しでも高い偏差値の大学へ・できればあまり責任の重い職業には就きたくない、という理由だけで大学への進学を決めていいんだろうかと周囲に疑問を感じていました。

—————
Q,大学での大きな変化はなんですか。

A,挑戦しようと思えばなんでもできる環境になったことかな。

大学進学後は自分の個性を許容してくれる人が多く、いい意味で周囲の目を気にしなくなりました。高校生までの抑圧された環境から、「やりたい!」と思ったことに関して素直にチャレンジできるようになりました。大学在学中には「楽しそう!」と思った中山間地域のボランティア活動や海外短期留学に何度も参加しています。課外活動での作業や経験を通して、1人でやるよりもチームの総力で目標を成し遂げることに圧倒的な感動や楽しさを感じました。

鳥取に来るまで人間不信でネガティブ思考でしたが、気の合う仲間と活動したり、たくさんの人に親切にされたことがきっかけで人を信じることができるようになりました。


Q,今の仕事についたきっかけはなんですか。

A,自分を必要としてくれる人がいると思ったことです。

就活の際、今の会社と合わせて数社の採用選考を受けました。最終的に入社を悩んだのが、東京の誰もが知っている大手企業と今の会社(=LASSIC)でした。

初任給も高く名も知れている都会の会社か給与面や会社規模では断然劣っている地方の会社。

周囲の大人に相談したら全員口を揃えて、都会の大手に行ったほうがいいと言われました。

ですが、今の会社の採用担当(=今の上司)に非常に真摯に対応してもらったことで「きっとこの人(この会社)は私を必要としてくれているし、入社以降も大事にしてくれるな」と感じ、今の会社に入社しました。

その後、新卒ですが採用担当に抜擢してもらい、大好きな尊敬できる上司とともに忙しいですがとっても楽しく働いています!

学生へのメッセージ

就職先を始め、将来の進路に悩む方も多いと思いますが福利厚生や給与などの条件面以外にも、自分がどういう暮らしがしたいのか、どんなときに幸せを感じるのか、どんな人達に囲まれたいのか…というところも加味して進路を考えたほうがいいと思います。そのためにも(長期・短期)インターンは参加したほうが良いと思うな。あと、無理して辛い環境に耐え忍ばずに戦略的に居心地のいい環境を探してみるのもいいと思うよ。

「喜びを与えてくれる子どもたち」県教育委員会 Tさん

目次

 

・所属 名前

・インタビュアーからのひとこと

・教員になろうと思ったきっかけ

・教員のやりがい

・理想の教育

・大切にしていること

・学生へのメッセージ

 

 

 

 

 

【所属 名前】

 元小学校教諭  現県教育委員会勤務 Tさん

 

 

 

  

【インタビュアーからのひとこと】

 

Tさんは、今年の春から県の教育委員会に異動され、県内全域の子どもたちが安心して学校へ通い、学習するための業務をされています。自分の人生を振り返って、教員時代を経てからの今の思いなど、たくさんのお話をしていただきました。進路に悩んでいる自分にとって、こういった考え方もあるんだと気付かせられるきっかけになり、自分でも改めて考えていこうと思いました。 

 

 

 

 

Q.教員になろうと思ったきっかけ

 

 

A.両親が教員だったこと。両親が高校の教員だったのですが、仕事の大変さ以上に楽しそうに働いている姿を見たり、昔の教え子から来る年賀状を何年たっても嬉しそうに読んでいる姿を見たりして、先生っていいなと思った。もう一つは、小学校のときにつらい時期があって、自分みたいにつらい思いをしながら学校に通う子がいないようにしたいなと思った。あとは、中一のときの担任の先生の影響が大きいのかな。生徒会や応援団などいろいろなことに「やってみんか?」と声をかけてくださったので。そこで、いろいろなことを体験できたことは、今振り返ってみると大きかったと思う。

 

 

 

Q.教員のやりがい

 

 

A.できた瞬間に立ち会える楽しさ。

 

 

エネルギーいっぱいの子どもたちと過ごすにはこちらも多くのエネルギーを使うので、すごく疲れることもあるんですけど、子どもたちの「できた!」とか、「やったー!」という声を聞くとその疲れも吹き飛んでしまうんです。あれに勝る喜びはないんですよ。例えばコンパスがうまく使えず、泣きそうな顔の子が、何度も練習して上手く円が描けるようになったときのうれしそうな表情。泳ぐのが苦手な子が、たくさんたくさん練習して25m初めて泳げるようになったときの表情など。最初5m泳ぐのも大変だった子が、ちょっとずつ泳げるようにはなるんですけど、だいたい12~20mくらい息が続かなくて止まるんですよ。そこからさらに一生懸命練習して、これは25m泳げるぞ、いける、ってときにゴールで待ち構えるわけですよ。その子の25m泳ぎ切って、壁にタッチした瞬間の苦しくても泳ぎ切った顔、そのあと見せる達成感に満ち溢れた笑顔。その子とハイタッチしたときは他の何にも代えがたい喜びを感じます。苦労して何かを達成した子どもたちの瞬間に立ち会えたときにやりがいを感じています。

 

それと、学校には遠足や運動会、いもほりや学習発表会、卒業式など、四季折々の行事がたくさんあり、その季節の色やにおいと一緒に思い出は積み重なっていきます。例えば、卒業式で泣いている子を見ると、涙が出るほど頑張ったことがあり、思い出があったんだなと思うとその子たちとの出来事が一瞬でよみがえり・・・こちらも泣きそうになって。涙が溢れてくるほどの思い出をもって卒業できるのって幸せだなって思います。 

 

喜びを感じる場面が「自分がどうこうした」じゃなくて「子どもの頑張っている姿」「何かを達成した姿」になっています。また、担任していた子が高校で部活を頑張っている様子を新聞で見たときには自分のことのようにうれしく思いますね。

 

 

 

Q.大切にしていること

 

 

A.人とのつながり

 

 

出会いだけじゃなくて上手につながることが大事かな。相手が嫌な思いしないようにとか、一緒に仕事して楽しかったなとか、そういう風にしたい。電話の出方にしても、挨拶の仕方にしても。気持ちよくお互いがwin winな関係になれるように、また会ったときに親しく話せるように。自分は人見知りだからこそなお、いい関係を築きたい。

 

 

 

Q.学生へメッセージ

 

 

自分は将来に不安をあまり感じてなかった。学生生活は楽しかったし、部活や勉強に全力を注げていたので。それに同じ目標や悩みを持っている友だちも周りにたくさんいたので、自分ひとりじゃないんだと思えることが多かった。自分はネガティブな性格なんですけど、周りの友だちがみんなポジティブだったから、その人たちといることで楽しく過ごせていたと思う。同じ思いを持つ友だちが多ければ多いほうが、悩みも理解してもらえる。

 

大学のいいところは、こんな時間を自由に使えるのは大学生活にしかないってところ。大人になる前の猶予期間だと思って、たくさんの出会いや経験をしてほしい。社会人でもなく、高校生でもなく、時間や勉強、仕事に追われることが少ないので、人生について考えられる時間。自分は「悩んでたってしょうがないし、今を楽しもうぜ」という周りの友だちが作ってくれた流れに乗せてもらっていた。今しかできないことが多いと思うので、今を楽しむのが先かなぁと思います。

 

つらいこともまあいっかと思えるくらいの心のゆとりとか人間性を磨くことのできる学生生活を過ごしてください。

 

 

 

 

インタビュアー:大國&佐伯&井上

 

文責:井上

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「起こったことは受け入れて、できることを地道にコツコツ」鳥取県庁 山本尚生さん

 

 

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目次

 

 


[所属 名前]

鳥取県元気づくり総本部参画協働課

山本尚生さん

 


[インタビュアーからのひとこと]

浪人、海外でのボランティア、民間就職、うつ病

県庁に勤められるまでに本当に様々なことを

経験されている方です。

そんな山本さんが大切にされている考え方は

「地道にコツコツ」。

 

生きていると色々深く考えすぎてしまうことも

ありますが、シンプルに考えることで

生きやすくなるのかなと思いました。

 

 

 

 

 


[職業・仕事内容]

Q. 現在のご職業と仕事内容を教えてください。

 


A. 職業は公務員で、今は鳥取県元気づくり

  参画協働課に所属しています。

 

鳥取県内のボランティアやNPO活動など地域を

元気にする活動を応援する部署で、

県内のNPO活動をサポートしている、

とっとり県民活動活性化センターの支援もしています。

 

 

 

 

 

[きっかけ]

Q. 以前は県外の「ハートビートプラン」という

  会社で働かれていたそうですが、

  なぜ県庁で働こうと思われたのですか?

 

 


A. ハートビートプランは都市計画コンサルタント

という業種で地域を元気にする企画づくりと

試行をしていました。

 

それは大阪の会社ですが

自分は元々鳥取県出身ということもあり、

地元で何か地域に携わる仕事がしたいなと

思っていました。

 

公務員をずっと目指していたというわけでも

ないんですけど、地域づくりの経験がある社会人を

募集する採用枠がちょうどタイミングよくあったので

今がチャンスかなと思って志願しました。

 

 

 

 

[前職とのつながり]

Q. 鳥取に帰ってくるということは

  人生プランとして決めていたのでしょうか?

 

 


A. そうですね、大学時代に決めていました。

 

地元が好きということもありますが

大学に進学する時には「将来何になろう」って

特に決めていたわけではないのですが、

たまたま進んでいった先が地域活性化を考える

研究だったので、地元に携わらずに人生を終えるのは

悔いが残るだろうなって思っていました。

 

とは言っても、卒業してすぐ地元に帰るという

イメージはなかったので、一旦別のところで就職して

修行してから帰ろうと思っていました。

 

 


民間で働いていた時は

街の将来を考える仕事をしていましたので、

地域のおじいちゃんおばあちゃん、

行政の人など、いろんな立場の人と

コミュニケーションをとる必要がありました。

 

行政というのはみんなにとってメリットがあることを

考える仕事なので、それぞれの立場にいる人が

どういった状況に置かれているか、

何が嬉しいと思っているかなどを考えながら

仕事をしていた経験があるというのは大きいです。

 

 

 

 

[壁の乗り越え方]

Q. 一度うつ病を経験されているんですね。

 


A. 社会人3年目くらいになると任せられる仕事も

  多くなって、あまりの忙しさに朝から晩まで、

  土日も休みなく働いていた時がありました。

 

 

仕事自体はそれなりに成功してやり遂げていた

んですけど、やり終えたあとの脱力感、

燃え尽き症候群のようになったこと、

家庭とのバランスがとれないことに少しずつ

モヤモヤがたまって、半年くらいまともに仕事に

行けない期間がありました。

 

でも、ずっと寝ててもしょうがない。

やれることからやっていこうと思い、

やれることをやっていたら社長にも

「もう一回担当やってみるか」と言ってもらい、

「頼まれるということはできるんだろうな」

という気持ちにさせられて

なんとか復帰することができました。

 

仕事で関わっている人たちから

「一緒にやってよかった」と言われた時は、

認められたことが嬉しくて

そこから自信も少しずつ回復していきました。

 

 


一歩一歩やっていくというのは大切にしています。

 

うつ病になった時、朝起きれなくて。

どうしていこうかなと考えた時、

まずは朝起きて会社に行く、

それを毎日確実にやろうって思うようにしました。

 

仕事のことは、会社に行ってから考える。

普通は仕事のことはきちんと考えて準備するのが

理想的だけど、まずは「起きて会社に行く」。

 

 

その一歩一歩の積み重ねというのは、

つまずいた時に大切な考え方だなと思います。

 


大学入る時も1年浪人した経験があって、

勉強は結構自信があったつもりだったのに

不合格になって、「甘かったな」と反省しながらも、

じゃあそこからどうしていこうかなって考えた時、

毎日コツコツ勉強するしかない、

そういう気持ちでやっていました。

 

 

起こったことや目の前の状況は受け入れて、

できることを地道にコツコツ

毎日続けてやっていこうと思うようにしています。

 

 

 

[印象に残っている出会い]

Q. これまでの人生で印象に残っている

  出会いはありますか?

 

 


A. 前の会社のボス(社長)、泉さんです。

 


「会社」って言ってるけど、実は自分が入った頃は

泉さんが1人でやっていた企業でした。

 

 

その方は大学の先輩でもあって、

僕は1人目の社員でした。

今は社員さんは6人くらいに増えてるかな。

 

 

社長1人でやってる会社に就職しようと思ったのは、

その人が魅力的だったからというシンプルな理由です。

 

 

一言で言うと、簡単には死にそうにない人…(笑)。

 

 

「この人だったらついていって大丈夫だろう」って、

根拠のない理由を持っていました。

福利厚生とか給料とか、そういった話は全然なくて、

「その人についていきたい」という思いだけで

就職を決めました。

 


泉さんとの出会いは、自分が所属してる学科の

卒業生の進路について紹介する会があり、

それで社長に会いに行ったのがきっかけです。

 

 

話を聞いてすごく惹かれたので、

当時はこの言葉は一般的ではなかったけど、

今でいうインターンシップという形で

お手伝いをさせてもらえることになり、

続けてるうちにアルバイトとして雇ってもらいました。

 

 

そこから就活の時期になって、

「まだ働きたいから働かせてください」

とお願いして採用されました。

 

 

だから僕は、履歴書書いて、エントリーして、

説明会行って…といういわゆる就職活動というのを

やったことがないんです。(笑)

 


当時、会社の組織の中で働くイメージがつかなくて。

ただ、惹かれる人を見てると「この人すきだな」、

「この人についていきたい」という思いが

湧いてきて、その会社で働くことを選びました。

 

 

泉さんは都市計画コンサルタントという

職種自体の社会的地位向上、

その業界自体の人材育成にも意識がある方で

 

「重要な社会課題に向き合い、時間と労力が

かかるわりに給料や待遇があまりよくない」

という風潮がありましたが

でもそんなのでは後継者も増えないし、

 

業界の質を良くしていかないといけない

というふうに泉さんは思ってたので、

社員の生活と成長やモチベーションを考えて、

適切な給料と柔軟な働き方を整えていただきました。

 


泉さんは、街で自転車でこけたおばちゃんがいたら

すぐに荷物拾ってあげて「大丈夫ですか」と

自然と声をかける。

 

一緒に仕事してる目上の方がタバコのポイ捨てとか

してたら半分冗談交じりで

「何やってるんですか!拾ってくださいよ(笑)」

と言える人。

 

 

自分の意見を言える芯のある人だけど、優しさもある。

面倒見のいいアニキ肌で

社員にも街の人にもすごく慕われる人だったので

そういうところは特に魅力的だなと思っていました。

 


仕事においては、1人だからすべて1人でやるしかない

んだけど、全部自分でやるんですね。

企画つくって資料集めて話しに行って。

バイタリティーがないとできないことを、

自分が納得いくまでやり抜くスタイルも

かっこよかったです。

 

 

 

[学生時代のこと]

Q. アメリカやマレーシア、インドなど海外にも

  行かれたことがあるんですね。

 

 


A. 学生時代、海外の貧困地域に行って

  家を建てる活動をするボランティアサークルに

  入っていました。

 

 

観光で行くのではなくて

地元の人のくらしを見ることができること、

人の家を建てられることが楽しくてやっていました。

 


海外に行くと、「同じ人間なんだ」と安心する部分も

あるけど、そんなに真剣に考えなくてもいいんだ、

テキトウでもいいんだ、と思える部分もあります。

 


学生時代のうちはとにかくいろんなことを

やってみたくて、海外に行くのもやってみたかった

ことの1つだったのでちょこちょこ行っていました。

 

 

僕は自分でしっかり考えて決断するときもあるけれど、

多いのは人に誘われて行動することなんです。

 

 

その人が面白いと思ってることが気になって、

自分が魅力的だと思った人からの誘いがきっかけで

結構いろんなことをやってきました。

 


友達との付き合いもすごく楽しくて、

テスト期間になれば5、6人で教科書の担当を

振り分けて授業する、というのをやっていました。

「これここポイントだから!」って、

試験は団結力で乗り越えていました。

 

 

 

[今後の目標]

Q. 今後やりたいこと、挑戦したいことは

  ありますか?

 


A. 実はいま、迷ってて。

  何したらいいかなって(笑)

 


街の人と一緒に地域を盛り上げるようなことを

したいな。

イベントよりもう少し長く続く

プロジェクトみたいなイメージ。

もしかしたらそれは仕事ではないところ

なのかも知れないけど…。

 

 

今は鳥取市に住んでいるけれど、

出身の若桜とか八頭郡とかのカントリーサイドで

できることに携わっていきたいです。

 

 

 

[学生へのメッセージ]

Q. 最後に、学生へのメッセージをお願いします。

 


A. 自分の興味・関心を引き出して

  行動してみてほしいですね。

 

 

これは自分めっちゃ好きだな

(嫌いだなというのもあるかも知れないけど)

という、そういう感情を出していく。

 

自分が好きなこと気になることを試していくのを

やってみたらいいんじゃないかな。

 


仕事だけが人生じゃないし、

自分に合う/合わない、向いてる/向いてないとかって

見つけるの難しいですよね。

 

 

学生時代はお金はないかもしれないけど

行動できる可能性は広がっているし、

学生は社会から寛容に受け入れられるという部分も

あるから「やってみたいからやらせてください」って

声をかけてみるとそれを受け入れてくれる人もいる。

 

 

節度を持ちながら、いろいろやってみたら

いいんじゃないかなと思います。

 

 

 

 

 

インタビュアー : 佐伯、岡本

文責 : 佐伯

【人のためだけに生きるのは難しい。最後は自分が満足することをしたい】自然がっこう旅をする木 得田 優さん

 

 

 

 

 

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目次
・名前 
・インタビュアーからのひとこと
・以前の仕事について
・海外を旅したことについて
・人生のなかで大切にしていること
・現在の仕事のやりがい
・大学生へメッセージ
 
【名前】 
自然がっこう旅をする木
得田 優さん

【インタビュアーからひとこと】
「自然がっこう旅をする木」で子供たちに最低限のルールの中で子供たち自身がしたいことをしてもらうスタンスで自然育児サークル、幼児スクールをされています。
「自分のやりたいことはしてみる」ということを大切にしておられ、広告の仕事、旅、自然がっこう旅をする木を経験されています。
インタビューをして、私もやりたいけどできずにいたことをしようと思いました。


【以前の仕事について】
Q.以前の仕事について教えてください。

A. 以前は、広告の仕事をしていました。

作ることが面白いなと思っていて、写真とか文字を使った仕事は何だろうと思ったことがきっかけで広告の世界に入りましたね。

広告の仕事をしているときにケニアに仕事をしに行ったのですが、ケニアでは、食べ物がなくて、学校では昼にトウモロコシを配っていて、子供たちはそれを食べずに家に持ち帰って家族にあげていました。それには、とても驚きましたね。

日本では、物が当たり前に買える。この社会で生きていくためにはお金が必要でそのために働いていることに気づいたんですよ。それで、ふと自分の将来を考えると、このまま都会で生きていくイメージができなくて、、もっともっと自分の知らないことを知って生きていきたいと思い仕事を辞めて海外を旅することにしました。

【海外を旅したことについて】
Q.バックパッカーとして海外を旅したことについて教えてください。

A. アジアの途上国に行きました。

みんな、山の中で暮らしたり、標高3000m以上のところで暮らしたり、砂漠の中で暮らしたり、自然の中で暮らしていました。
こんなところでどうやって暮らしていきていくの?
ってところでも、自然の環境を上手く利用しながら工夫して生きていました。彼らは、無いものはお金で買うのではなく、自分たちで作っていました。こういう風に生きている人は日本以外の国ですごい多いことを知りました。日本で生きていると、日本では日本の価値観に合わせないと生きていけない風に思いがちですがそうではないと思います。

【人生のなかで大切にしていること】
Q.人生のなかで大切にしていることを教えてください。

A. 一番大切にしていることは、自分がやりたいかどうかですかね。やりたくないことをやるのは、物凄く疲れるし時間がかかって効率が悪いと思います。なので、人のためにやるってことより自分のやりたいことを中心に考えることが多いです(笑)

物事をする前には、不安もあります。でも、その不安を消すための一番の方法は「する」ことだと思います。ダメならやめればいいと思います。

【現在の仕事のやりがい】
Q.この仕事をする上でのやりがいを教えてください。

A.今日は子供たちとキャンプで川を上ったんですけど、その時に僕も行ったことのない川に行くことができるので面白いですね。この仕事は、子供たちと一緒に新しい風景を見ることができます。子供たちは、僕の興味のないことを見せてくれるので楽しいです。

【大学生へメッセージ】
Q.大学生にアドバイスをお願いします。

A. 一人で旅はしたほうがいいと思います。

今は、携帯があるので一人の時間をとるのが難しいと思う。旅にでて一人で何かを考えたり、一人の時間を過ごした方がいいと思います。また、やりたいと思っていることはやるべきです。ダメだったらやめればいい。

インタビュアー 志茂、田中、大國
文責 志茂

「目の前の人を大切にすること」カウンセラー 山根 恒さん

 

 

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目次

・【所属 名前】

・【インタビュアーからのひとこと】

・今のお仕事について

・カウンセラーになったきっかけ

子ども食堂

・心に残ったエピソード

・今の社会に思うこと

・学生へのメッセージ

 

 

【所属 名前】

カウンセラー 山根 恒さん

 

 

【インタビュアーからのひとこと】

人に寄り添う、心から向き合うお仕事であるカウンセラー。少しでも人を大切にする行動や気持ちをもつだけで社会は変わっていくのだと感じました。また、子どもを始め、町の人々を繋ぐ第3の居場所である子ども食堂はとても魅力的です。山根さんのお話の中で、皆さんに伝えたい事がたくさんあるので、記事が長文になっていますがご了承ください…!

 

 

Q.今のお仕事について教えてください。

 

 

A.鳥取県刑務所の処遇カウンセラー、人権相談センター(週末)ハローワーク(月1回)、人権局UD推進専門員、パレットとっとりで子ども食堂(週2回)をしています。

 

 

 

Q.カウンセラーになられた経緯を教えてください。

 

 

A.どの仕事も「人の相談にのる」という点で共通していると思う。

 

 

最初、27歳までコンピューターのシステムエンジニアとして働き、児童館で3年間働き、鳥取商工会議所で経営指導員として10年間働いた後、カウンセラーの資格をとって現在に至る。実は、高校生の頃からカウンセラーに興味はあったが、取得方法がわからなかった。働き出してから、高校生の活動を支援する活動に関わっっているうちに、高校生の悩みを聴くことが多くなり、高校の教員や先輩にカウンセラーに向いてるんじゃないの?と言われたのでやってみようと思った。振り返ってみると、一見関連性がない経歴だと思われるけれど、「人の相談にのる」という点では共通していると思う。

 

 

 

Q.子ども食堂をつくったきっかけは何ですか?

 

 

A.コンセプトは「誰もがわくわくするような場所」

 

 

受験や進学、就職といったライフイベントを迎える中学生・高校生に来てほしいと思い、駅に近いまちなかにつくりたいと思っていた時に、当時の本通り商店街の理事長が「子どもがたくさん集まるなら、パレットとっとりを使え。」と後押ししてくれた。町に賑わいをつくりたいという思いと子どもを集めたいという思いがマッチした。コンセプトは、子どもに限らず、その保護者を始め「利用してくれる人を大切にする」ということと、「誰もがわくわくするような場所」。運営には、カウンセラー、管理栄養士、元小学校の校長先生、大学生、高校生が関わっていて、利用する子どもの保護者も生活や子育ての事などを気軽に相談できる場所にもなっている。今は「子ども食堂」という名前だが、将来は子ども食堂を核にしながら、「地域食堂」を目指している。

 

 

 

Q.子ども食堂の魅力は何ですか?

 

 

A.たくさんの知恵が集まる場所。

 

 

子ども食堂にはいろんな可能性がある。食堂をツールにして誰もが集える場所になる。そこにいろんな人がいるから、いろんな知恵が集まる。例えば、どんな地域にしようかと話をしたり、課題があれば解決方法を出して一緒にやろうという話になるなど、地域力を高めていくこともできると思う。

 

 

Q.心に残ったエピソードはありますか?

 

A.家庭の都合で子ども食堂に行けない日、ある子どもたちが母親に「連れて行ってー!送ってくれるだけでいいから!」と泣きながら訴えていたこと。宿題を終わらせないと子ども食堂に行かせないというルールをつくったら子ども食堂がない日でも宿題をするように習慣がついたこと。あるお母さんの仕事が決まらないことで悩んでいたが、食堂に来て話をすることで、次も頑張ろう!という気持ちになっていること。

 

 

 

Q.社会に思うことはありますか?

 

 

A.もっと人を大切にしようよ。

 

 

例えば、困っている人を対象外だからといって簡単に突き放すのではなくて、その人がもう少し生きやすくするためにはどうしたら良いだろうかと一緒に考えるような対応をするだけで、自分の気持ちを聞いてもらえたと思って帰ることができる。人を大切にすればギスギスした社会にならないんじゃないかな。…現代は余裕がないからかな。昔は、皆が裕福ではなかったけれど、寛容さはあった。寛容さがないから人を大切にできないんじゃないかな。

 

 

 

Q.学生へメッセージ

辛いときには「助けて」って言っていいんだよ。でも本当に言って良いんだろうかと思うよね。それは、自分で何でもやらなければならないって社会が思わせているだけだから。

「共感力」を高めてください。そうするともっと人を大切にできるようになる。

また、人のために働く理由として、今の自分があるのはその時々にいろんな人に支えられてきたから。処遇カウンセラーとして罪を犯した人の成育歴を見ると、その人は最初から罪を犯す人ではなくて、ある出来事が起きた時に、そばで寄り添ってくれる人がいれば生き方は変わっていたんじゃないかと思う人が多い。その人に関わる人によって生き方が変わる。皆さんが、今の自分があるのは、自分の努力はもちろんだが、いろいろな場面で関わってくれる人がいたからだと思います。

 

 

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鳥取市子ども食堂情報は『鳥取市公式ウェブサイト 子ども食堂』で検索!

 

 

インタビュアー:大國&稲葉

文責:大國