ぱんぴっと! インタビュー記事

NPO法人学生人材バンク学生プロジェクト「ぱんぴっと!」。鳥取で活躍する魅力的な社会人へのインタビュー記事を掲載していきます。

「大切にしていることは、楽しいことをすること」日本一周 飯野 拓巳さん

 

 

 

 

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     目次

・名前

インタビュアーからひとこと

・元々のお仕事

・日本一周をすることになったきっかけ

旅の一番の思い出

旅の最悪な思い出

・人と関わる上で大切にしていること

・大学生へのメッセージ

 

 

【名前】

 日本一周

飯野 拓巳さん

 

 

 

【インタビュアーからひとこと】

「楽しいことをする」を大切にされている飯野さん。

栃木県を出発し、北海道を二か月、沖縄や京都でバイトをするなどをして最初は半年で旅をするつもりだったそうですが、三年の月日をかけてバイクで旅をされた方です。

そして旅先で再開を約束した方に会いに行こう鳥取に来たことをきっかけに、現在はルームシェアをして楽しく生活をしていらっしゃいます。

具体的に旅のお話を聞かせていただいたことで、私も旅に行きたくなりました。

笑顔で接してくださり、こちらも楽しい気分になりました。

笑顔が素敵でとても話しやすい方です。

 

 

 

 

【元々のお仕事】

 

Q. 元々、どんなお仕事をされていたのですか?

 

A. 高校の時に仲の良かった友人が車が好きで、自分も車が好きになりました。

それで、車が好きなら整備士になろうと思い専門学校に通うことに、、

そこから二年間、通い整備士になりました。しかし、社会に出て衝撃を受けました

正社員はバイトと違い、専門学校時代の実技の授業よりも整備の仕事のスピードが速く衝撃を受けました。これが普通などだと思い頑張ろうって思いました。

しかし、サービス残業や人間関係のストレスから、身体ともに疲れきってしまい仕事をやめました。

 

 

 

【日本一周をすることになったきっかけ】

 

Q.日本一周をしようと思ったきっかけはなんですか

 

A. 仕事をやめて、次の仕事に就く前に、ちょっと一旦休憩をしようと思いネットゲームをして寝て、また起きたらゲームをするという毎日を過ごしていたので、お金が尽きてしまいました。これからどうしようってなってた時、前から日本一周したいいう夢があったことを思い出しこんなに暇な時間があるのならやってみようと思ったのがきっかけです。

 

 

 

【一番の思い出】

 

Q.日本一周をしているなかでの1番の思い出を教えてください。

 

A. 旅先で出会った何人かで屋久島に行ったことですかね。基本、寝床につくと周りに旅人

がいないかなって探すんですけど、いたら、よっしゃ!いると思って話しかけにいきます。だいたい、仲良くなれますね(笑)

 

 

 

【最悪な思い出】

 

Q.日本一周をしている中での最悪な思い出を教えてください。

 

A. 夜中に山から下りていくときにバイクがパンクしたことです。パンク修理キットを持っ

てなかったので、レッカー車を呼んだんですけど、レッカー車が来るのが二時間後とかで、雨が降ってたし、本当に泣きそうでしたね。

 

 

【人と関わる上で大切なこと】

 

Q. 人と関わるうえで気を付けていることは何かありますか?

 

A.相手の気持ちを考えるようにしています。話す前に頭の中で考えてから言葉にしていま

す。多分、こう言われたら嫌だなって思うことは口に出さないようにしています。

 

 

 

【大学生へアドバイス

 

Q.大学生の中には自由な時間多くある人がいるのですが、そういった人たちに向けてアドバイスをお願いします。

 

A. 基本は楽しいことをやってほしいと思います。自分が大切にしていることが楽しいことをやるってこと。でも、いろんな人には会ってほしいなとは思います。人によって考え方や生き方がそれぞれ違うのでそれを知るってことは、今後、役に立っていくんじゃないのかと思います。

 

 

自分も人見知りだったので、なかなか自分からいけなかったんですけど、一歩踏み出してみると、またちょっとは違うのかなって思います。踏み出せなかったら踏み出せないでいいから、周りの人に紹介してもらって、話すことによってちょっとずつ人見知りもなおってきます

 

 

 

 

 

インタビュアー:志茂、石井、大國

文責:志茂

 

「カタチを変えながらでも残るモノがある。」教育関係のサポートスタッフ等 笹間千広さん

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目次

・【所属 名前】

・【インタビュアーからのひとこと】

・ターニングポイント

・世界を旅して感じたこと

・働く理由

・学生へのメッセージ

 

 

 

【所属 名前】

教育関係のサポートスタッフ等(現在は子育て中) 笹間千広さん

 

 

【インタビュアーからのひとこと】

笹間さんは、1年間養護教諭をされた後、ピースボートで世界へ旅に出られ、そこでの出会いから大阪で居場所づくりのNPOで働き、結婚を機に鳥取へ帰って来られてからも、新田サドベリースクールのサポートスタッフや幼稚園、ゲストハウスのスタッフをされるなど多様な経験をされています。働くことへの考え方がとっても素敵で、今進路に悩んでいる私にとって貴重な出会いでした。私の中で形を変えてでも残っているモノとは何かを見つめ直したいと思いました。

 

 

 

Q.ターニングポイントを教えてください!

 

 

A.生徒から「先生の将来の夢って何?」という問い。

 

 

養護教諭の時、保健室にすごろくを作って子供たちと遊んでいた。そこに何の気なしに「将来の夢は?」っていう欄を作っいて、そのマスに止まった時、『大人だし何となく、答えなくて良い。』と思って流そうとしたら、「え、だから、先生の将来の夢何?」って聞かれたけど答えられなかったのがすごくショックで、自分つまんないやつになってたな…これでいいのかなと気づいた。6歳から学校で過ごしてきて、外に出ないまま再び学校で働いている自分が子供たちに何も言ってあげられないなと思った。このまま採用試験を受け続けるよりも、もっと社会のことを知るっていうポジティブな要素でここから脱せれるなら教員という道を離れる方が良いと思った。そこで、何しようか考えた時に手っ取り早く視野を広げるためには海外だなって。安易な考えだけど()

 

 

 

 

Q.世界を旅してどんなことを感じられましたか?

 

 

A.自分が思っていたよりも、たくさんの働き方やたくさんの職業があること。

 

 

3か月で21か国くらい周りました!各国で用意されたプログラムを体験・視察をしたり、船の中では水先案内人の講義や参加者の企画があったり。ゆっくりする人もいればがつがつ活動する人もいて面白かった。この3か月間はとにかく吸収して帰るんだ!と思って勉強系の興味あるツアーを取れるだけとったりして過ごした。ピースボートでたくさんの出会いもあって、1つのことにこだわる理由ってないんだな…、働き方っていろいろあるんだな…って気づいたし、就活っていうと固くて重いイメージだったけど1つの大きな出会いから仕事先が見つかったり、興味があることに出ていくことで普段は関わりがない人につながれたり、自分の思いに共感してくれる人に出会うことができることが新鮮で、アプローチの仕方は1つじゃないと思った。

 

 

 

 

Q.笹間さんはなぜ働くのですか?

 

 

A.もうちょっと素敵な自分になりたいから。

 

 

働くことは好き。とりあえず、声をかけてもらったことに対しては挑戦したい、頼まれたことは私の力量を試されてるなと思って頑張りたい。○○のためっていう動機は後づけで、本当はもっとシンプルに「やりたいか、やりたくないか」とか「やるか、やらないか」っていうところでしかない。これをやることで自分がどうなるかが大きくて、もうちょっと素敵な自分になるためには何ができるかなと思うことがエネルギーになっている。

 

 

 

 

Q.学生へメッセージ

迷ったらいい。いろいろ経験していく中で、「この価値観はカタチを変えながらでもずっと残っているな」っていうものが見つかると、これで良かったんだなってそこで初めて気がつく。そこをもっと興味をもってやっていたら楽しいと思うし、それを見つけるまでに、どれだけ動けるかかなと。見つかるまでの寄り道が大事な時間で、そこを面白く過ごせたら、なんだって出来ると思います!

 

 

 

インタビュアー:大國&佐伯&岡本

文責:大國

「初めは失敗するんで、失敗してなんぼなんで。」小学校教員 梶川大輔さん

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目次

・【所属 名前】

・【インタビュアーからのひとこと】

・教員になって良かったと思うこと

・こだわり

・学校の役割とは

・学生へのメッセージ

 

 

【所属 名前】

小学校教師 梶川大輔さん

 

 

 

【インタビュアーからのひとこと】

梶川さんは大阪の大学を卒業された後、地元の鳥取で教員として働かれ、今年で5年目の先生です。休日も全国に足を運んで勉強され、常に新しさを取り入れた教育を実践されています。教育実習を経験し、将来への進路選択を迫られ疑問や不安でいっぱいの私たちにとって、現場の話やテクニック、思いなどたくさんのことをお話くださり、悩みや不安に関しても親身になって聞いてくださいました。改めて先生って素敵だなと思いました。

 

 

Q.教師になって良かったと思うことは何ですか?

 

 

A.日々の小さなことにワクワクできること。

 

次の年に持ち上がるとは限らないので、3月に向かってどうレールを敷いてあげるかという毎日の葛藤にやりがいがある。うまくいかないことも多いんですけどね。今年は児童の様子を毎日ノートに書いています。

 

 

 

Q.梶川さんのこだわりって何ですか?

 

 

A.「やってみて失敗して、思考してまた実践する」を繰り返すこと。

 

いろんなものをみたからわかる。真似から始まりますよ、やってみようと思ったらやってみてください。初めは絶対失敗するんで、失敗してなんぼなんで。うまくいかなくて良くなかったかなと思ったら、正直に子供に謝ればいい。「ごめん、昨日は叱りすぎた」とか言いますよ。もし自分が子供だったら、面白い授業受けたいじゃないですか。もし自分が親だったら子供が楽しそうにしている姿を見たいじゃないですか。だから、1日1回笑わせようかなとか考えますね。まず自分が1番楽しむようにしているんです。教育学だけではなく、児童理解に心理学を用いたりもしますし、いろんな情報をつかんで活用します。

 

 

 

Q.学校の役割とは?

 

 

A.育った環境が違う人同士が一緒に勉強するところに意味がある。

 

いろんな考えにふれる中で、自分の考えをもつ練習をしてる。自分は何者で、どんな人間で、その自分を出す、主張する力が将来自分の強みになるから。答えを出す勉強じゃなくて、ビジョンを立てた時、きれいでもヘンテコでもいいから土台からどう作っていくかを考える場。教え込むのではなく、子どもに「どう思う?」と聞き、自ら根拠を生み出していけるように関わる、自分が理解できるまで説明させる。

 

 

 

Q.学生へメッセージ

①自己分析

僕も自分がどんな人間かわからなかったので…。長所や短所、自分を一言で言うと?など自分がどのような人間なのかを問うアンケートを作り、小中学校や高校、大学の友人、さらにアルバイト先の店長にも書いてもらった。また、バイトや普段の何気ない関わりから自分がいつどんな感情になっているか、どう解消しているかを分析することで自分のコントロール方法がわかる。今でも子供たちに、自分がどう映っているか尋ねたりします(笑)

 

 

②講義外の様々な経験

高校時代のサッカー部のキャプテンや大学時代の東北へのボランティア、何個かアルバイトも経験したり、いろんな職種の人と話しあったりしたことが、教職に就いた時、子どもの前に出たときすごく生きてくる。学生時代は、迷いを感じないままに、不安をかき消すぐらい行動していました。

 

 

③面接対策

採用を決める面接官をある種味方にするために、「○○という人間は面白いな、採用しようかな」と思わせないといけない、と企業に就活していた友人から言われた。大学での面接練習で言われた「何で自分を売るの?」という問いに向き合った。自分が相手にどう伝わっていたかが重要で、就活中の友人にも面接官をしてもらい、教員外の視点から見て自分がどんな印象かを必ず聞いて活かした。

模擬授業も普段の授業でも、普通に始めるんじゃなくて、「この人何するんだろう」って一瞬思わせるように自分のワールドを作る練習も必要なのだと思います。

 

 

【さいごに…】

教育の道に進むのなら、自信をもって進んでほしい。悩んでいるのなら、今は答えが出なくても、勉強していたら、行動していたら、教員になったら出るかもしれない。だから、前に進み続けてください。

 

 

 

インタビュアー:大國&井上&田中

文責:大國

「鳥取を前向きに楽しんでほしい。」 岩田朗さん 鳥取県庁

 

 

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目次

・【所属 名前】

・【インタビュアーからのひとこと】

・地元で働くこと

・仕事上のターニングポイント

・一緒に働きたい人

・学生へのメッセージ

 

 

 

【所属 名前】

鳥取県庁元気づくり総本部とっとり元気戦略課 

岩田 朗さん

 

 

【インタビュアーからのひとこと】

鳥大では公務員を志望する学生が多いと感じています。理由を聞くと「安定しているから。」、「何となく。」と聞きます。岩田さんは、仕事を生活の一部として楽しんでおられます!中山間地域の生活支援から交通、福祉、教育、県の魅力発信など幅広い分野にわたって、地域に密着したお仕事で公務員に魅力を感じました。

仕事が楽しいって本当に素敵だなと思います!

 

 

 

Q.地元で働くことについての思いを教えてください。

 

 

A.基本的に鳥取が大好きなので。

 

大学時代、賀露港で漁火コンサートのアルバイトをしたとき、地域の方々が非常に楽しみ、喜び、元気になっている姿が印象的で、自分も地元を元気にしたいと思った。1つの分野にとどまらず、多様な仕事ができる地元を元気にする仕事と考えて公務員を1つの選択肢とした。鳥取は田舎って言われるけど、個人的には便利だと思ってる。夏は海に潜って、冬はスキーやスノーボードができてバランスが良い。それに、人と人、地域と行政の距離も近く、人のつながりがある地域性もあり仕事がしやすい。

 

 

 

Q.仕事上のターニングポイントを教えてください!

 

 

A.僕の経歴は珍しいと思う。公務員らしい仕事はしていない気がする…笑

 

ターニングポイントは、保健所で2年間、東京事務所(外務省ロシア課)で2年間、ウラジオストク総領事館で2年間務めたこと。全く新たな分野で、多様な人、多様な価値観に触れる事で相手の立場で考えたり、幅広い視点を持つきっかけとなった。今、障がい者の人たちの社会参加を促進する取り組みをする上でも当時実際に接した経験が活きている。外務省で勤務した4年間では、ロシア語や英語が飛び交う、優秀な人材とのスピーディーな仕事環境の中で大きな劣等感も味わった。できるだけ吸収しよう!できることをしよう!ともがきながらも、楽しく仕事をする事、気持ちの切り替えを身につけ、海外の生活やロシア人と接する中では、人とのつながりの重要性や細かいことに拘らなくなったりと価値観も変わった。

 

 

 

Q.どんな人と一緒に働きたいですか?

 

 

A.前向きでチャレンジする気持ちがある人。

 

淡々と言われた仕事をやるだけでなくて、この地域の特性を見つつ課題に何ができるんだろうと考えながら、前向きに仕事をする人。自分は楽しみながら仕事をすること・相手が喜ぶように何かしてあげようとすることを大切にしている。仕事の中では、課題に対して何ができるのか考えることが楽しい。例えば、どうすれば航空会社が誘致できるかなとか、貿易をスムーズにできるか、移動販売の取り組みなど。また、人と接することが好きということもあるけど、いろんな分野の人と話してみてちょっとしたアイデアをもらって仕事に活かす。自分に固定した価値観はなくて、いろんな人からもらう価値観を自分なりに吸収して柔軟に受け入れるようにしている。

 

 

 

【学生へメッセージ】

今の人たちは私の学生時代と違って、チャレンジできる機会がたくさんあると思うので、自分の殻や壁を作らずに、鳥取のいろんな人に出会ったり、体験する機会を積極的に楽しんでもらいたい。せっかくだから、鳥取を楽しんで鳥取を好きになってもらい、一緒に鳥取を元気にできたらなと思います。

 

PS.写真は公務員を目指す学生との1枚です!

 

インタビュアー:大國&越智&鈴木

文責:大國

 

 

 

「お互い様。見えない部分で、いろんなものが回っている」 公益財団法人 とっとり県民活動活性化センター 上山梓さん

 

 

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 目次

 

 

[所属 名前]

公益財団法人 とっとり県民活動活性化センター

上山梓さん

 

 

 

[インタビュアーからのひとこと]

世の中に疑問を持たない生き方は

危険であるということ。

見えていないだけで

いろんなものが回っていること。

 

上山さんの生きてこられた環境や考え方は

驚くほど自分と似ており、

共感する部分が沢山ありました。

 

「お互い様」をもっと皆が意識し合えたら

より助け合える社会になるのではないかなと

感じました。

 

 

 

 

[職業・仕事内容]

Q. ご職業とお仕事の内容を教えてください。

 


A. 公益財団法人 とっとり県民活動活性化センターの

 事務局員をしています。

 

センターはNPOやボランティア、

地域づくり団体を支援するような活動をしています。

 

 

私の担当は民間協働型活動支援といって、

企業さんからの寄付をNPO等の団体に寄贈する際の

仲介したり、社会課題の解決へ向かう団体さんを

支援するためのチャリティーを企画したりする

仕事をしています。

 

 

 

[前職について]


Q. 以前はどのようなお仕事をされていたのですか?

 


A. 塾の正社員をしていました。

 


教育関係にはずっと関心がありました。

でも、「学校」という場所がすごく嫌いで。(笑)

 

 

なんであんななんだろう。

 

 

最近はだいぶ変わってきたのかも知れないけれど、

子どもの育つ環境とか、

結局は大人の都合に合うようにさせられているなって。

大人の都合よく振る舞う子が尊ばれる空間ですよね。

 

 


私は子ども時代、割と「いい子」でいられる

タイプでした。

でもそのままできてしまったせいで

大学とかでつまずいてしまって。

 

ある時、「自分がない」ということに気づくんです。

 

その時に、「たみ」(湯梨浜町にあるシェアハウス)のメンバーと関わるようになった。

 

それで、自分が何もないというか、

世の中に疑問を持つ感覚がないことに気づいた。

 

じゃあ、自分の感覚も養いながら、

「自分はどうしたら自分と同じような人間を

 生み出さないようにするか、

 それは教育を変えていくのか、

 教育じゃない場所をつくっていくべきなのか」

を考えるようになりました。

 


NPO法人遠足計画」では、

どちらかと言うと教育ではない場所、

いかに子どもたちの自主性や自発性を

発揮できるかというところをつくる。

 

 

一方、「因幡の手づくりまつり」は割と教育現場的。

いかに子どもたちの手を健やかに育てるか、という、

要は理想像があって教育的なアプローチをするんですね。

 

だから両面で、それらを組み合わせる場所は

ないかな、と模索しながらやってきて、

今があるという感じです。

 

 

 

[きっかけ]

 

Q. 塾で働くことを、

  どうして辞めようと思ったのですか?

 


A. 教育に興味があって就職したけれど、

  周りに絶望したんです。

 


みんな夢を持って入社したはずなのに、いつの間にか

お金の売り上げを第一に考えるようになるところ、

あるいは、

「いくら性格が悪くても稼ぐやつが一番えらい」

みたいな風潮に嫌気がさして。

 

それは会社的には悪いことではないけれど

すごく志を持って経営されてる人が

「あいつは売り上げ大したことないから」と

評価されることとか、

「お金が稼げたらそれでいい」という考え方、

毎晩社長の悪口を言い合うとか、

ストレスは溜まるし

全然夢がないところが嫌になって辞めました。

 

 


あとは、「限界を感じた」ところですかね。

塾に来る子のほとんどは、親に言われてやって来る。

自分で勉強したいと思ってきているわけではないから

限界もあるし、本人が勉強に取り組めないのには

いろんな要因がある。

 

それは学校の環境であったり家庭の環境であったり、

そこを今の塾だけでカバーするのは難しいなと

思いました。

 

 

 

[充実度を感じるとき]

 

Q. 今の生活のどんなところに充実度を感じますか?

 


A.  大学の時から通っていた「三八市」(朝市)に

  関われることはとても嬉しいです。

 


それから、NPOやボランティアの考え方は

自分の肌に合うんです。

 

 

特にセンターのトップの方は面白い方で、

「私はこういう人のもとで働きたい!」と思う人。

毎日勉強になるし議論もしている。

そんな環境の中で、自分の知識や経験を積んでいける。

楽しいことは楽しくやりながら、実用性を考えていく。

「この地域になぜ三八市は必要か」ということを

より客観的に分析していくのが楽しいです。

 

 

 

地元が閉鎖的だったので、

それをどうしたらいいのかという問い、

近所の人とどうやってコミュニケーションを

とっていくかをずっと自分のなかで課題として

持っています。

 

 

「いい地域」というのは、いろんな人と顔を合わせて

過ごしやすい空間であることだと感じます。

家と職場や、趣味嗜好の合う第三の場所、

サードプレイスとかではなく、

すぐ近くのコミュニティづくりが、結果的には

防災やセーフティネットに結び付くのかな。

 

「仲良く」とまではいかなくても、

互いを認め合えるコミュニティをつくることは

大事なんじゃないかなと思います。

それが地元でできなくても、今住んでいる松崎で

意外とできるんじゃないかなって。

 

そういうことを考えながら、

人が少ないなかで私たちはどうしたらいいかなって、

支え合える社会をつくっていくことをミッションに

活動しています。

 

 

 

[大切にされている考え方]

 

Q.  生きていく上で大切にされている考え方は

   ありますか?

 


A. 「お互い様」ですかね。

 


最近よく、「ごみ捨て当番面倒くさい」とかって

聞きますよね。地域のしがらみを嫌がる気持ち、

私もよく分かるんですけど、一方で多分

マンションとかだったら公共的な部分は

お金を払ってやっている。

でも本来はそれってそこに住んでいる人たちが

協力し合って自分の住んでいるところを

良くしていったもので、

その機能がどんどん薄れている。

そこでコミュニケーションがなくなっている。

 


そもそも皆で使うものには税金や共益費など

何かしらの形で払っている。

払っている気はないかもしれないけど。

地域ではそのお金が、自治会費や区費といった

「別でください」と見える形になっているだけ。

 

でも本来は同じことですよね。

 

例えばごみ捨て当番とか、

お互いがお互いに協力し合って生きているんだから、

面倒くさいけど必要なこと。

できない人がいるなら仕組みを変えたらいい。

町内活動だから参加しないというのは、

違う話じゃないかな。

 

自分だけ負担を持っているんじゃなくて、

自分も周りの人に育てられてきたので、

それは「お互い様」として自分の周りの人たちを

手助けしていくというか。

お互いに助け合って生きている社会だから、

自分が恩を受けた分は

誰かに返さなくちゃいけないですよね、

 


分かりやすい話で言うと、

「車産業はお金になる」と言うけれど、

でもあれって莫大な下積み産業があるんですね。

 

国が道路をつくらないと車屋さんは儲からない。

本当はそこにお金がかかっているのだから、

「自分がいい車をつくって売ったから自分が偉い」

ではない。自分だけの手柄じゃないですよね。

 


子育てや介護も同じこと。

お母さん一人が育てるのではなくて、

いろんな人たちが一緒にいろんな子どもたちを

支えて育てていかなきゃいけない。

今の社会はそこがなぜか分断されてるな、と思います。

 

でもそう思うのは、

「お互い様」の部分が見えていないから、

見えているという感覚が失われているから

なんだと思います。

 

 

見えないところだけれども、

実はいろんなものが動き循環しているところに

気づくこと。

 

 

私がやっていることも、恩返しというか、

「自分はいろんなものを受けて生きているから

 それ以上のものを返していこう」という部分に

近いかなと思います。

 

 

 

 

[学生へのメッセージ]


Q. 社会や若者に対して思うことはありますか?

 


A. なんでそこが嫌なのか、

  気になるのかを考えることは大事なこと。

 


私は大学に入るまで淡々と生きてきたから

つまずいたんですよね。

 

 

社会常識とか法律とかも、

「それは従うものである」と思っていて、

考えることもなかった。

 

 

そこに何も疑問を抱かずに生きてきたけど、

この辺(松崎)に住んでいる人やアーティストとかは

そういう部分にすごく敏感。

 

「なんでこんなに理不尽なんだ」とか、

「まっとうに考えたらおかしいことだ」と

言える人たちに囲まれて過ごしてみて初めて、

「たしかに!」と気づくようになった。

 

そこの感覚を養うというか、気づいたことに対して

いかに声をあげられるのかということが

今の社会には必要な気がします。

 

「おかしいんじゃないか」と言ってみるとか、

理不尽なことへの怒りを持つとか。

 

 

そのためにはまず、社会を知ること。

 

 

いろんな課題や問題に対して、

自分たちが動かしていかないと変えられない。

何事も自分が意識しないと、変わらないですからね。

 

 

やりたいことをやったり、

気になったものに頭を突っ込んでみるとか、

そういうところから始めてみたらいいんじゃないかなと

思います。

 

 


あとは、誰と出会ってどう付き合うかが大事。

 

 

自分は「たみ」に突っ込むことで、

そこでの空気感とかいろんな人と出会っていったから

今の自分があるのだと思っていますし、

 

「話す」(言葉)だけではなくて

一緒に何かやっていくうちに分かってくることも

たくさんあります。

 

 

時間が経って、感覚として自分のなかに落ちてくる

ということもあるから、「出会い」だけでなく、

出会った「その後」も大切にしてほしいです。

 

 

 

 

 

 

 

インタビュアー : 佐伯&石井

文責 : 佐伯

 

 

「自分に嘘をつかないこと。自分で納得した道を進むこと。」 パン工房ほとり 吉田翔太さん

 

 

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 目次

 

 

 

 

[所属 名前]

パン工房ほとり 吉田翔太さん

 

 


[インタビュアーからのひとこと]

大学生活のこと、就活のこと。

「生きるって大変だよねぇ」と、優しい笑顔で

お話してくださる、とても気さくな方です。

周りに流されて生きていると、気づかぬうちに

見えなくなってしまう自分の気持ち。

誰のせいにもしない、自分で考え自分で決めた道を

貫いてこられたその生き様に強く引き込まれました。

 

 

 

[職業・仕事内容] 


Q.ご職業とお仕事の内容を教えてください。

 


A. 自営業でパン屋をしています。

 今年の秋を目標にオープン予定です。

 

今はその準備期間ということで、

パン工房の内装をDIYしたり

電気や水道の工事をしています。

 

工房は身の丈にあった規模で、

パンを人に売っても大丈夫なように

保健所の許可をいただくというところから

スタートしています。

 

 

 

 

[その仕事を始められたきっかけ]


Q.なぜ”パン屋”なのですか?

 


A.きっかけには本当にいろんなことがあるのですが、

大学4年時、大学に行けなくなったこと、

院試験に落ちてしまったこと、

就活がうまくいかなかったことなど

いろんなことが上手くいかない時期がありました。

 

そんな時に、インスタントイーストをもらったんです。

なんで貰ったのか、誰に貰ったのかは

全然覚えていないんだけど…(笑)

 


で、せっかくもらったんだから作ってみようと思い、

いざ作ってみたら「こりゃ面白い!」、

「ふくらんだよ!」って楽しくなって。

 

 

就活も行き詰まってたし、

パンの仕事いいんじゃないか…と思い、

(大学があった)茨城県のパン屋を探し、

いいなと思ったお店に直接行って雰囲気を見て

そのパン屋は従業員を特に募集していたわけでも

なかったんだけれど、「ここで働きたいです」と

勝手にメールを送りました。(笑)

 


いま思えば小さい頃から料理は好きだったし、

キッチンに立つのが好きだった。

そういうのも原体験としてあるのかなと

今になっては思います。

 

 

 

 

[伝えたい鳥取の魅力]


Q.「パン屋を通して鳥取の魅力を伝えたい」と

 ブログに書かれていましたが、

 どんな魅力を伝えたいと考えておられますか?

 


A. 1つは、材料の魅力です。

 

鳥取県は、パン用の小麦を大山のまわりで

つくっています。これってとても凄いことで、

国内産小麦の殆どは北海道産なんです。

「国内産=北海道産」と思われるくらい

北海道の勢力が強いなかで、鳥取県で小麦粉を

作っていると初めて知った時、びっくりしました。

 

自分は通販で県外の人にも売ろうと思っているので

小麦粉だけでなく牛乳やバターなど、鳥取県産の

質の良い原材料をお届けしたいと思っています。

 


それに付随して、鳥取で作られている生産者の方に

実際にお会いすると、「こういう人が作っている」

というのが分かるんです。

だから、「鳥取にはこういう人がいて

こんなことしてて…」という、その人たちの思いも

一緒にパンに乗せて届けられたらと考えています。

 


それだけでなく、敢えて言うとするならば、

僕が鳥取クラウドファンディングをするとか、

ブログを書くとかツイートするとか、

そういった発信活動をすることによって、

鳥取のパン屋さん」ということが外に伝わっていく。

活動をすることによって、

鳥取とほかの地域の人が接点をもっていく。

 

そういう意味では、僕はパン屋だけど、

鳥取と接点を持ってもらうきっかけを

つくれるんじゃないかなと思っています。

 

 

 

[お店のこだわり] 

Q.お店を開業するにあたって、こだわったポイントや

 大切にされてきた考えなどはありますか?

 


A. パン業界の環境を良くしたいという思いがあります。

 

残業・長時間労働はパン業界で特に

問題視されているものです。

しかし、パンを作るには時間がかかること、

たくさんの種類を1日に何度もつくることなどから

なかなか改善していません。

この問題をどうにかしたい。

 

もう一つは食品廃棄の問題があります。

毎日毎日、何千円・何万円分ものパンを捨てる。

売れ残ったパンは捨てたくはない。でも安売りを

するとなると、商売として難しくなってしまう。

 

自分たちで一生懸命作ったものを価値を下げて

提供することになってしまうということになる。

商売として成り立たなくなれば、お客さんに

楽しんでもらうということもできなくなる。

 

こういった問題を解決するために、

どれだけ予約制にシフトできるかというところに

かかっていると思っていて、

パン工房ほとり でもこだわっていきたいと

考えています。

 

 

 

 

[学生時代のこと]


Q.どんな学生時代でしたか?

 


A. とにかく遊んで、普通の学生でした。(笑) 

楽しかったなぁ。

楽しいことしてるから、楽しいは楽しかったけれど、

 

ただ、今考えれば、

「社会に対して何か提供していた」ということは

全くないので、そこに関して言えば

今とは全くモチベーションが違うかなと思います。

 


例えばクラウドファンディングとか予約制の拡大とか、

今はそういう挑戦をすることで、

誰かのためになることがあると思ってやっています。

 

自分が進むことによって

少しでも社会に良い影響を与えたいと思っていて、

そこが学生時代との大きな違いではありますね。

 


でもそんなことが言えるのも、酒飲んで楽しいこと

してた日々があるからなんだよね、多分。

 

そこでできた友達とは今でもすごくつながりが

深かったりして、クラウドファンディング

応援してくれたりとかもするし…。

 

すべてつながってくるなぁと思います。

 

 

 

 

[背中を押してくれるもの]


Q.大学に行けなくなる、就活をやめる、

 ブログを書く、クラファンをする…。

 

勇気がいる決断を何度もされてきたと思うのですが

(例えば就活に対して何か思っていたとしても、

そのまま就活の流れに身を任せて生きていく

という人もいるかもしれない中で)、

新しい何かを始める時に

背中を押してくれる存在や考え方などはありますか?

 


A. まず第一に、家族と友人はとても大きな存在です。

 

ここまで育ててきてくれた両親はもちろん、兄貴、

親戚のおじさんおばさん、じいちゃんやばあちゃん、

高校や大学で知り合った仲のいい友人は、

僕が何をしようとしても必ず前向きに捉えてくれ、

説教じみたことを言う人は誰一人いない。

 

「そうなんだ、応援するよ、頑張って」って、

ただ認めて背中を押してくれる。

 

そういう人たちのおかげで、

「どれだけ良くない状況に行ったとしても

前に進んでいけるんだ」ということが

自然と感じられているし、

「やろうとした時には応援してもらえる」と

分かれている。

本当に恵まれていると思います。

 


考え方の部分としては、

自分に嘘をつかないことが大事。

 

違う言い方をすれば、

とことんマイペースでやれ、という感じ。

人に流されるな、とも言うかな。

 


自分に嘘をつくと、違和感が生まれます。必ず。

 

 

就活、エントリーみんな20社するんだって。

と聞いて、じゃあ自分も、なんとなく20社エントリーすることを目標にしてしまっている、とか。

自分の頭で考えずに、自分の中に違和感があるのに

それに嘘ついて行動してしまうと、

必ずどこかでだめになっちゃう。

 

だから、自分で考えて自分で進むこと。

そしたら言い訳できないから。

自分が納得して進むことをしっかりやっていると、

「人と比べて」ではなくて、

自分なりに必ず前に進むことができる。

人と比べることは必要ないんだよ。

 

 

 

 


Q.「会社員として働く」ではなく

「開業する」という道を選ばれたのにも、

ご自身のマイペースな部分というのが

つながっているのでしょうか?

 


A. つながっていますね…(笑)。

 


会社で働くというのは、チームプレー。

チームで利益を出してそれが自分にかえってくる。

チームプレーの良さはもちろんあるし、

やりたいことが大きなことだと一人では

できないから、チームで動く以外に道はないよね。

 

なんだけど、僕が感じたのは、自分でやった

仕事の対価を自分で直接受け取りたい、ということ。

 

会社員として働くというのは、

自分ではなく会社が商売しているということ。

だから、例えばそこで一生懸命頑張って働いても、

すっごくサボって結果が出なくても、

すっごくサボってるのに結果を出しても、

自分の評価が社会的に上がったり下がったり

するわけではない。

 

それに対して違和感があって

今の自分は社会的には全くの無名なので、

そこを一歩社会に踏み出して、

良くても悪くても自分自身に評価が返ってくるほうが

楽しいなって思ったんです。

 

 


あとは、マイペースすぎて

あまり周りに合わせられないから…(笑)。

 

 


マイペースというのは、

短所でもあるし、長所でもある。

 

物事には必ず良い面と悪い面がある。

メリットはこうで、デメリットはこうで…と

客観的に見ています。

 

良いほうに捉えられるかは自分次第。

良いほうに向けてのばそうとするのは大切なこと。

良い面をどれだけ見れるかっていうのが

大事なのかなと思います。

 

 

 

 

[今後の目標]


Q.最後に、今後の夢や目標をお願いします!

 


A. 個人としての目標は1つ、決まっています。

それは、「誰もが挑戦できる社会にしたい」

ということ。

 


ある意味僕はこういうふうに、何かありながらも

前向きに生きていけるように育ててもらったのは

最大の強みかなと思ってて、

「前向きすぎてこわい」と言われたこともあるくらい(笑)。

 


今まで出会ってきたなかで、

一歩を踏み出せない人というのは

とっても多い。

 

「ホントはこういう仕事がしたいんだけど

 自分にはきっとできないし、

 親もやめろって言うし…」とか

 

そういった大きなものもあるし、

ちょっとしたものもある。

 

「あの人、気になってるんだけど、

 声かけられない…」とか。

 

些細なことかも知れないけど、それもチャレンジ。

 

そういうのって、誰かに背中を押してもらうことで

前に進めることだと思うので、僕が行動することで

少しでも挑戦できる人が増えたらなと。

 

自分をありのまま認める、自信をつける、

そういうのがもっと社会にあふれるように

なったらいいなと思います。

 


パン屋としては、先ほどお話したように、

「パン業界を良くしたい」ということ。

 

長時間労働とかの問題が蔓延してると

チャレンジできないよね。

 

新しいことに挑戦しようとしても

今その目の前の現場があって、

パンを焼いてお客さんに届けることで

いっぱいいっぱいだから、なかなか難しい…。

 

 

というふうに考えれば、全部つながってる。

 


「誰もがチャレンジできる社会」が一番上にあったら

「パン業界をもっと良くしたい」というのが

その下にあって、それをやるために今は

自分の事業を成立させようとしてます。

 

というのも自分の事業がうまくいってないと

説得力も何もないからね。

自分が挑戦してない人に、「挑戦しようよ」って

言われても、ねぇ…。(笑)

 

そこが今から頑張るところ。

今やってるのは、自分のチャレンジ。

 


自分が踏み出した一歩が、誰もが挑戦できる社会、

お互いが背中を押しあえる社会へのステップに

なればいいなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もっと吉田さんのことを知りたい!」

 という方はこちらから↓

好きを紡ぐ。 | アラサーで脱サラしたパン職人が好きと生きるブログ。

 

 

 

 

 

 

インタビュアー:佐伯&大國

文責:佐伯

 

 

 

 

 

 

 

「時間が経てば人間が一番変化する。人に合わせて内容を変えられる面白さが、事業の可能性になっていく」 うかぶLLC共同代表 蛇谷りえさん

 

 

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目次

[所属 名前]

うかぶLLC共同代表

蛇谷りえさん

 

 

 

 

  [インタビュアーからのひとこと]

既存のものにとらわれない、

考え方がとても豊かな方です。

「マニュアル」とか、「機械的」という言葉と

対照にいる方だなと感じると同時に、

豊かさとは何か考えるきっかけを

教わったような気がしました。

 

 

 

 

[職業・仕事内容]

Q.ご職業とお仕事の内容を教えてください。

 

A. 合同会社「うかぶLLC」の共同代表をしており、

主に「たみ」と「Y pub & hostel」の運営、

私は、鳥取大学やホスピテイルの

プロジェクト企画の運営、様々なジャンルの

方々とのイベント企画・運営をしています。

会社全体では、そのほかのメンバーが

さまざまなプロジェクトを担っています。

 

 

 

[その仕事を始められたきっかけ]

Q.なぜそのお仕事をしようと思われたのですか?

 

A.大阪で高校に通っていた時、

かっこいいお店がたくさんあって

周りには、絵を書いたり音楽をしたりする人が

いました。

 

当時は、その人たちが皆で個展を作っていた

ところにお客さんとしてアートギャラリーや

アートプロジェクトを見に行っていました。

 

でもその時は、「自分もつくりたい!」という

感覚はなくて、好きだなと思うところに

お客さんとして行っていました。

 

 

 

だけど段々、観客側では物足りなくなって

きちゃって。

物足りなくなって文句を言うっていうのは

良い状態ではないなと思っていた時、

自分でもやってみようかなと。

 

 

周りの先輩にも、やってみたらいいんじゃない

と言われ、いろんな人に教えてもらって、

やっていたら次第に仕事として

イベントの企画や運営をできるようになりました。

 

 

 

その経験から、2、3時間で終わるイベントではなく

目標やミッションに向かって継続的に活動する

「プロジェクト」の運営に興味がわくように

なりました。

 

 

はじめは場所にこだわらず

いろんな環境で活動していたのだけど、

「場所の強さ」ってあるなぁと思い、

2010年に瀬戸内国際芸術祭で

友人と初めて場所の運営をしました。

 

 

なぜ場所(宿)の運営かと言うと、

人を集めるのではなく、

人が集まっているところに興味があったんです。

 

 

アートやデザインだけじゃなくて、

食べ物や文化の違いなどのちょっとしたことでも

人は集まるし、何か1つ真ん中にあれば

こんなに盛り上がるんやなぁって気づきました。

 

それまでは、デザイン、アートに

自分が囚われていたけれど、

それでなくても良いという自由さを感じ、

宿の運営について考えるようになりました。

 

 

それから岡山で3か月半、場所(宿)を運営。

はじめは知り合いしか来なかったのが、

2ヶ月、3ヶ月経つと知り合いの知り合い、

知り合いの知り合いの知り合いが来て。

「誰やろう、この人」と思っても、辿っていけば

知り合いの知り合いだったりする。

 

その時に、「全くの他人と思っても

どこかでつながってるんや!」という感覚、

そして町のサイクル、

町の時間(祭りがあるから集まるなど)に、

「場所」って、事実・物体があることで

人が来たり関わったりする面白さがあるな

と感じたんです。

 

 

 

じゃあ、10年経てばどうなるんだろうと思い、

継続的にできるようにしようと鳥取で始めました。

 

 

 

 

[なぜ鳥取?]

Q.「場所の強さ」と仰っていましたが、

   なぜ鳥取なのですか?

 

 

A.どうなるかが予測できない、(私たちにとって)

余白がたくさんあるところに惹かれて。

 

 

大阪、岡山はだいたいどんな感じか、

どんな人が集まるのか、

生まれ育った町だったのでやりにくかったし、

観光地などで町のイメージが強いところでは

やりたくなかったんです。

 

 

どうなるか分からないところがいいなと思い、

湯梨浜を紹介してもらって「めっちゃいい!」

と思いました。

 

 

地元の人たちがただただ大事に住まわれていて、

でも何のゆかりもない私たちが入っていける

受け皿があるという感じと、

「制度や仕事によって受け入れられる」ではなくて

町の人が自然と個人的に向き合ってくれる・受け入れて

くれる、そういう振る舞いに感銘を受けたんです。

 

 

 

[お店のコンセプト] 

Q.うかぶLLCのコンセプトとは何でしょうか。

 

 

A.

・あたらしい風景を自由に見るための

 土台であり、舟である

・個人の持つ可能性を拡張することで、

 社会をいかに生きるか探求する場所である

・留まることなく、常に変化しつづける時間である

               (HPより引用)

共同体について書いていますね。

 

関わったからには、あなたの技術を

使いましょうよ、という感じ。

 

 

こういう組織体がなぜ存在するのか?

という問いは、

なぜ人間が存在するのか?

という問いと同じくらい、あまり意味はない。

 

 

ただ、せっかく生まれたんだし、皆で協力して

できない壁があるなら

自分たちの考え方を変えちゃおうという考えです。

 

 

自分らが作った舟にいろんなジャンルの人が

乗組員として関わることで、

みんなで見たことない風景をつくること。

 

 

同じ時間を過ごすこと、個人の能力を拡張して

プロジェクトを作ることが面白いんです。

 

時間が経てば、環境や状況も変わるけど、

人間が一番変化する。

結婚した、子どもができた、とか。

 

でも、できなくなったから終わり、

ではなくて、じゃあどうする?と考える。

 

 

たとえばSさんが辞めて、次入ってきた人に、

Sさんのレシピを渡せば同じ料理ができるんだろう

けど、そうではなくて、

今いる人の能力を生かせるものにしよう、

ないなら違うことしよう、って考えます。

 

人や時間が変わるから永遠に可能性が広がる。

 

「なくなった/変わったから終わり」、とか

「ゼロから何かをつくる」というより、

「あるものを変える」という考え方です。

 

 

うかぶLLCは、人に合わせて内容をどんどん

変えられる面白さ、楽しさがあるけど、

それが不安な人もいるでしょう。

 

だから、うかぶLLCでは、

マニュアル通りにする人ではなく

変化を楽しめる人が関わっているかな。

 

 

 

[行動に結びつくエネルギー]

Q.社会に対して、「怒り」はありますか。

 

A.はじめは、怒りで人は動くものだと思っていたし

怒りや違和感があったからやってきたんだなって

思ってたけど、でも、エネルギーって、

怒りだけじゃないなって最近は思います。

 

 

何かしら手を動かすことで「楽しい!」とか、

喜んでもらえたり、その先に笑顔があることで、

またやろうという気持ちになる。

怒りはわかりやすいけど、怒り続けるのは疲れる。

楽しさや喜びの方が続けられる。

 

 

あえて言うなら、脱力・切実かな。

自分の暮らしがあって、

でも皆と関わらないと生きていけないから

どうしたらいいかなっていう切実さ、

その壁を超える感覚が続いている感じ。

 

 

「変えてやる」という怒りや頑張りではなくて、

もう少し脱力した受け身な感じ。

 

 

でも、世界に対して全て受け入れると

自分の中に嘘ができるから、

個人的な出来なさと大きな困難を

どうやったら乗り越えられるか。

 

「じゃあどうしよっかな」って、

一個ずつ考えながらやってきました。

 

 

 

 

 [今後の目標]

Q.最後に、これからの目標を教えてください。

 

A.一人一人が満足いく仕事とお金と時間を

 つくれる会社にしたい。

 

お金はないなりに幸せはつくれるだろうけど、

会社としては、

自分らの仕事でちゃんと家族を養えたり

不自由なく生きていけたりする支えになりたい。

 

それが私自身の生活にも返ってくると思う。

 

 


あとは、「自分の生活・くらし」に

向き合えるようにしたい。

 

仕事が楽しすぎて、休みの日は寝てばっか、

とかではなくて、自分の生活にきちんと

私自身が向き合えることが目標です。

 

 

 

 

 

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それぞれのHPはこちらから↓

 

うかぶLLC|UKABU.LLC

Tami Tottori

Y Pub&Hostel TOTTORI

 

 

インタビュアー:佐伯、大國、稲葉

文責:佐伯