「やりたいことは自分の中にある。」 鳥取大学地域学部 稲葉千華さん
・[インタビュアーからのひとこと]
・[所属 名前]
・[鳥取大学に入ろうと思ったきっかけ]
・[大切にしていること]
・[うまくいかないとき]
・[やればよかったこと]
・[目標]
・[学生へのメッセージ]
[インタビュアーからのひとこと]
物腰が柔らかく、落ち着いた方で、とても話しやすかったです。
常に物事を冷静にとらえ、問題に向き合う姿勢は、
尊敬せずにはいられませんでした。
[所属 名前]
Q. 所属と名前を教えてください。
A. 鳥取大学地域学部
稲葉 千華 さん
[鳥取大学に入ろうと思ったきっかけ]
Q. なぜ鳥取大学を選んだのですか?
A. 隠さずに言うと、センター試験の結果で選びました。
元々やりたいこともなく、 「とりあえず公務員」 と思って、
名前からして公務員っぽい、鳥大の地域学部に入ることにしたというのが本音のところです。
予備校の先生にも、 「うかるで」 と言われ、ろくに調べずに入りました。
でも、実際地域学部に入って、よかったなと思います。
フィールドワークが多くて、座学だけじゃないものを得れたから。
高校までは、頭でっかちな理論や公式を学んでたけど、
その勉強が何になっとるんか分かってなかったんだよね。
「サインコサイン 使わんくね」とか思ってたな(笑)
大学でも座学はあるけど、フィールドワークがあることで、座学とコネクトができて、
「こういう話って座学でやったこのことなんだ、ここで役立つんだ!」
って思えたのは大きいなと思います。
それに、大学では保育園の待機児童とか耕作放棄地とか、
地方地域都会を含めて、今の日本のホットな話題を扱ってるんだけど、
外に出た時、バイト先の社員さんとかおじいちゃんおばあちゃんと話す時、
話題にこと欠かないし、世代で考えてること全然違うんだっていうのを体感できるんです。
等身大の自分として社会問題をとらえられるようになりました。
[大切にしていること]
A. 大切にしている考え方はありますか?
Q. 「誘われたら断らない」
「ふっかる」
「忙しさをにじみださない」 こと
大学の最初は、とにかく動こう思って、
誘われたらどこにでもいくようにしていました。
忙しいと思われていると、みんな誘ってくれないけど、
余裕を醸し出していたらみんな誘ってくれるんです。
A. 今の考え方になった転機はありますか?
Q. 一番のきっかけは浪人したこと。
もともと、損得勘定の強い性格で、
自分に得か損かっていうのを考えて、
自分が得することはやろう、損しそうなら切り捨てて… という生活を送ってました。
今思うと、チャンスを無駄にしたなって思います。
浪人時代って、結果がすべてなんだよね。
勉強して、「こんなにやったんですよ」って私の努力をみせるけど、
模試の結果を見せると、「でもこれじゃあね」と受け取られる。
もがいてたなぁ。
めっちゃ頑張って、これだけの結果しかでんのかって、
自分損しとるって思った。
でも頑張らんと受からんし。
そしたらなんか、損得勘定がよく分からなくなって…
あともう一つ、自分には 「何かしたい、好き」 って思うもの、
夢中になれるものが特になかったんだけど、浪人仲間の友達に、そういうのを
すごく持ってる友達がいたんだよね。
「自分はこの大学で、こんな勉強をするんだ。
1年ではこれして、2年ではこうして、
卒論はこんなことするんだ」って、4年間の過ごし方を全部決めてた。
「すっげ!」って思ったよ。 (笑)
で、その子と比べた時、自分なにもねぇな、大学行けりゃあええわ
っていう精神でいたなと思って、自分が恥ずかしくなった。
損得勘定で自分をかこつけてる場合じゃねぇなと思って。
その友達に感化されて、友達みたいには計画立てれないけど、
大学では損得勘定なしにしようって決めたんです。
大学では、何が得とか分からんことが多いんよね。
例えば飲み会で、「あの人と飲んで失敗したわー」ってその瞬間は思っても、
でもいつか、「良かったな」って思える時が来るかなって期待して、
そう思える自分に期待して、やろう
大学ではそういう風にやろうと決めました。
[うまくいかないとき]
A. うまくいかないときはありましたか?
Q. 2つありました。
1つは、大学2年のときの地域調査実習。
1年間フィールドワークして、調査して、報告書にまとめるっていうものを
3人でやったんだけど、考え方が三者三様すぎて、まとまらない!
担当の先生にアドバイスもらうけど、3人で理解が違うんよね。
次これしよう、これしたいって意見を出すけど、
「先生そんなこと言っとった!?」 ってなったり。
方向性が違うから、とんちんかんな方に進んだり…
1人だったらさくさくいくんだろうけど、3人集まらないと報告書はできない。
3人だから、報告書にそれぞれの色が出て、先生もそれがいいって言うし…。
チームでやるって難しいなって思ったよ。
A. どういう考え方で乗り越えましたか?
Q. 妥協もあったし、自分を主張しすぎないようにしました。
でも自分の色をだしたいところはあるから、
それぞれの色を出すところを決めて、
そうでもないところは、「○○ちゃんのアイディアが活きそう」
「このアイディアよりそっちの方が良くない?
そしたらここめっちゃ膨らむよね」
みたいな感じで、してました。
結果的にはうまくいったと思う。
2つ目は、3年の前期に行った、インターンシップのこと。
半年間週に3回、会社にインターンシップして、
経営戦略立てて、実際にPDCAサイクル回していくっていうもの。
それが大変だってね…。まず計画したことが通らんかった。
どうやったら人にうまく伝わるだろうって考えて…。
大人数の時と個人でアピール方法変えたり、
時間調整とか気を付けました。
1人でできることって少ないから、
「全体で良くなればいい」 って考えて、
相手を立てたりすることもあったなぁ。
インターンシップで特に印象に残ったことは
こんなに合わん人おる!?っていうのかな。
大学入ってから、外に出ようと意識して、
色んな人と話そうと思ってたんだけど、
自然と類とも呼んでたんだなって気づきました。
そこは結構閉鎖的で、こういう会社には行きたくないなって。
社内の風通しが悪いとか。小さいことかもしれないけど、
会社の見るポイントを学べました。
この人の下では働きたくないとかさ、思うけど、でも
社会に出たらそういうもんなんだろうなって。
でも、これも全部、行ってみなきゃわからなかった。
文字じゃ絶対分からんことを学べたのが良かったと思います。
[やればよかったこと]
A. 後悔していることは?
Q.基本ないけど… もっと外に出てもっと体験すれば良かったかな。
もっと体験すればよかったなって。
足を運んで初めて身につくことっていっぱいあるから。
今からでもしようと思う。どんどん外に出たほうがいいよ!
[目標]
Q.社会人になってからの目標は何ですか?
A. 私と、私の大切な人、家族や友達が幸せになってくれたらいいな。
なんでもできるようになりたいとは言わない。
大切な人が笑っておってくれたらそれでいいじゃん、って思う。
10年後の世界って10年後の社会によるから分からない。
漠然とした分からないことに対する危機感って、よく分からない。
だから、目の前のことを精一杯やりたいと思う。
身の回りの人が、幸せに暮らしていけたら幸せだなぁ。
[学生へのメッセージ]
Q.下級生に一言お願いします!
A. 大学生って、やりたいことみつからないっていう人多いよね。
でも自分は、やりたいことって絶対自分の中にあると思ってるんだよね。
やりたいことをみつけるためには、
やるべきことを一生懸命やることが必要だと思う。
そしたら、これが終わったらあれがやりたい、
これ一生やりたくない、
これやってみたらめっちゃ面白かったかも とか出てくるよ。
要するに、判断材料が見つかる。
真っ暗な部屋で、「やりたいことが見つかりませんっ!」 って言うより、
やるべきことの部屋にいて、 「ああ、やらな!!」 って
やらないかんことがはっきりしているものから
やっていくしかないんじゃないかと思います。
インタビュアー 志水
文責 志水